Re-Genesis
再創生
機動戦艦ナデシコ
2次小説
descripted by Veneficus...
なぜなに、り・じぇねしす 第0回
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どっかーーーんッ!!
なぜなに なでしこ
リ・ジェネシス版
「みなさん、初めまして、お久しぶり、こんにちは。
ナデシコ医療班、並びに、科学班担当のイネス・フレサンジュです。
本日はなでしこのよい子たちに、リ・ジェネシスの設定世界について説明しましょう」
「あー、もう、どうでもいいけどよぉ。何で俺がウサギ役なの?」
うさぎさんの着ぐるみを着たエノラ・パーキンスが着ぐるみの手を大きく広げて見せた。
「あら、聞きたい?」
イネスが指示棒を左手で押さえてうれしそうに首をかしげる。
エノラは遠い目をしながら頷いた。
「ああ、聞かなくてもわかる気がするけど、聞けって台本に書いてあるから」
「うふふふふ、そういうことはわかっていても言わないものでしょう。それはね…」
イネスが大きく手を開いて紹介する。カメラがその動きにあわせて動いた。
その手の示す先、机の上に頬杖をついてふて腐れているランドセルを背負った少女の姿があった。
「こよみちゃんがお兄さん役だから」「聞いてなかったぞ!!」
あぐらをかいて座っていたこよみが両手をついて叫ぶ。その動きに、ランドセルに刺されている縦笛がひょこひょこ動いた。
「エノラのばかちんじゃ説明にならないから、解説してくれって話じゃなかったのか!! 十歩譲っても、なんで黄色い帽子かぶって、赤いランドセルなんかしょわなきゃならんのだ!!」
顎にかけられていたゴムを引きちぎらんばかりに引っ張る。イネスは腕を組むと口元に手を当てて微笑んだ。
「あら、似合うわよ。だってそのほうが、マニアの人に受けがいいから」
「ふざけるな!!」「・・・ああ、もう、好きにしてくれ」
全身で怒りを表現するこよみの隣で、エノラうさぎがうなだれる。
イネスがカメラに向かってアップになった。
「さぁ、皆さんに紹介も済んだところで、始めましょう」「やるって言ってないぞ!!」「早く終わってくれ…」
後ろで騒ぐ二人をよそに、イネスが説明を始めた。
「じゃあ、まずはどうしてこの企画がこの時期にやるのかってところから」
「ああ、それなんだけどよ。確か、『なぜなに、リ・ジェネシス』はもっと後にやるつもりだったんじゃなかったっけ?」「・・・」
エノラがうさぎの着ぐるみを着たまま頭をかく。
イネスが得たりとばかりに頷いた。
「いい質問ね。さ、お兄さん。うさぎさんの質問に答えてあげて」「・・・」「・・・」
「さ、お兄さん?」「・・・」「・・・」
「さ、そこの月面うさぎ?」「ああ、もう!」
こよみが黄色い帽子を脱ぎ去った。
「つまりだな、わたしやエノラの馬鹿ちんがオリキャラだと誤解されている方が意外に多くてな。一度ちゃんと原作や元ネタを紹介した方がいいんじゃないか、と作者が考えたんだ」
「へー…、そんな人いたんだ」
「はっきり言わせてもらうと、知っている人の方が少数派ね」「・・・」「‥‥あんたも容赦ないな」
「あら、ちゃんと現実を見つめることは大切なことでしょう」
がっくりと肩を落とすエノラにイネスが流し目をくれる。
「ま、そんなことはともかく、いかにこの作者がへたれ野郎かと言うことをちゃんと読者の皆様に説明しておいた方がいいということ。
表現も視覚媒体もあるわけだから、そのほうがイメージが膨らむかもしれないわ?」
「まぁ、嘘くさいが言ってることに誤りはないな。
で、何から紹介するんだ? はっきり言ってこの作者、オリジナルな要素は何もないぞ?」「うわ、身も蓋もねぇ」
こよみの言葉にエノラが顔を押さえた。
「作者も浮かばれんなぁ」「ほっとけ」「あらあら」
やる気になったこよみにイネスが紙芝居の台を取り出した。上からおおきく『設定』『メカ』『人物』と書いてある。
「じゃ、まずは設定から。
設定上、ナデシコの世界と大きく違うのはこれね、航空宇宙軍」
取り出したパネルには『地球連合4軍』と書かれている。
「ああ、それか。ナデシコの世界では州軍、陸海空の三軍、そして、宇宙軍の5軍があったな。しかし、リ・ジェネシスには空軍は存在していない。代わりに航空宇宙軍が存在している。
そもそもこういう設定になった発端は、空中戦艦を運用しているくせに空軍なんているの?って疑問からだったな。確かに、基地や運用、航空機などを考えると、空軍という編成の存在価値が下がるのは確かだ。
だが、それは作者の言い訳だろう。
これは谷甲州さんの航空宇宙軍史からの流用だな。プロローグの宇宙戦闘でも、機動爆雷やプローブなどを使ってるし、航宙戦術は大きくこのシリーズに依存していると言ってもいい」
「んじゃ、タナトス戦闘団とか、やっぱいるん?」「いない」「うわ、即答しやがった…」
エノラが手を挙げて訊ねた。こよみは一瞬で切って捨てた。イネスが手を叩いて仲裁する。
「はいはい、そこまで。次はあなたも所属しているXIONね。航空宇宙軍の中枢ネットワークだそうだけど、これもやっぱり元ネタがあるのかしら?」
「そうだな・・・、詳しい設定は将来の話の中でするとして、XIONという名前は、あれだ。えろげーからの流用だ」「えろげーっすか」「あら、困ったわね。よい子のみんなは見ちゃ駄目よ」
「某アージュという会社が出している『化石の歌』というタイトルに出てくる設定だ。まぁ、あんまりネタばれしては楽しみも半減するからこれ以上は言わないが、そういえば、タイトルの『リ・ジェネシス』もここからの出典だ」「・・・ふーん」「こうやって改めて聞くと、ほんとに救いようがないぱくり野郎ね」
「おいおい、こんなの序の口だぞ」
こよみは呆れた表情のイネスに指で次のパネルに映るよう指示した。
「じゃぁ、次はメカね。なんかナデシコに出てないメカがいろいろ出てきてるけど?」
イネスが示すパネルには3機の機体が表示されていた。ケストリー、ドミストリ、チグリフォーンとそれぞれ書いてある。
「ああ、これも流用だ。作者は『クルーズチェイサー・ブラスティ』のコアなファンらしい」「コアっすか?」「・・・どのぐらいコアなの?」
こよみが腕を組んで頷く。
「昔、ソフビで出たブラスティを買おうかどうか悩んだらしい。結局金がないので泣く泣くあきらめたらしいがな」「ってことは、ホビージャパンで連載していた時からのファンなの?」「いや、PCゲームのブラスティで目覚めたらしい」「駄目駄目じゃん」
「ちなみにメカの設定はホビージャパンから出たムック『クルーズチェイサー・ブラスティ』からの出典だそうだ。小説版と違って開発系統図とかが載っていてメカフェチにはたまらないらしいぞ」「あ、俺聞いた。開発秘話だけでご飯3杯はいけるって」「ほんとに病気ねぇ」
「やっぱり黒いチグリフォーンとか出るん?」
エノラがうさぎの手で頭をかきながら訊ねた。
こよみがゆっくりと頭を振る。ポニーテールのしっぽが黄色い帽子の影から揺れる。
「いや、黒いチグリは『あのお方』専用機だから出さないって言ってた。第一、テンカワ・アキトの専用機はチグリなんて悪役メカじゃなくてブ――「はぁい、そこまで」ふぉぐふぉぐ」
イネスの合図に思いっきりばらそうとしていたこよみの口元をエノラが押さえつけた。
「駄目でしょう? わかっていても言っちゃいけないことがあるのよ」「(こくこく)」「・・・」
こよみが頷く。それでようやくこよみの口元が解放された。
「まぁ、先の話はおいておいて、やっぱキャラとか出るのか?」「でない」
せっかくエノラが振った話題を、またもこよみが撃墜する。
「フレディもクリスティもアニタもミリ・・・『あのお方』も出ない。これはあくまでナデシコだからな」「なるほど」「当然ね」
そして、イネスは最後のパネルを取り出した。
「最後はキャラね。こよみちゃん、あなた結構評判よ。『オリキャラ』には見えないって」
「そりゃそうだ」「まぁ、ねぇ」
イネスの言葉にこよみが肩をすくめた。
「リ・ジェネシスに出てきたナデシコ以外のキャラは、二人を除いて『ダーク・ウィスパー』という漫画のキャラクターだからな。今は電撃大王という雑誌で不定期に連載している。知る人ぞ知る、山下いくとさんの作品だ。
私の台詞もずいぶんと流用されてるぞ。ちなみに作者はBANDAIのサイバーコミックスの頃に出た奴を保存用と観賞用に、最近メディア・ワークスが出し直した奴を読書用にそれぞれ各巻3冊ずつ持ってるらしい」「激しくオタクね」
「他の二人って、誰?」
「写真家のエマニュエル・ガドナスさんとフェイエン・ノール少佐だ。
エマニュエル・ガドナスさんは笠井潔さんという作家の推理?小説『哲学者の密室』に出てくる哲学者さんだ。この人はエマニュエル・レヴィナスという実在の哲学者をモデルに作られたキャラだな。
フェイエン・ノール少佐は、あれだ。第177特務大隊、通称『DoLLs』の現大隊長だ。工画堂スタジオというPCゲームを作成しておられる会社の『PowerDolls3〜5』で出ている。
ちなみに『火星計画』というゲームからも台詞を借りてたはずだ」
エノラが思い出したように頷いた。
「ああ、あの『この最初の一歩が・・・』って奴か?」
「ああ。原文は美しいぞ。ぜひ、工画堂スタジオのウェブ・サイトで見てほしいものだな」「加工してるんだ?」「そのままはやばいだろう?」「確かに」
「でも、こうやって聞くと、ほんとにオリジナリティの欠片も見あたらないわね」
イネスが大きく手を開いて見せる。こよみが肩をすくめた。・・・ランドセルをしょったまま。
「下手に誤解されるよりは、こういう作品なんだと理解してもらった方がいい。
リ・ジェネシスでオリジナルなのは、話の内容と展開、それだけだ」「・・・充分だと思うぞ」「そうかぁ?」
「いずれにせよ、もともとナデシコという作品上の二時小説だもの。商業系ではできないことができるってことね」「やりたい放題していいって訳じゃないが、こんなことは同人でなきゃできない夢の競演だな」「あー、必死にまとめようとしてるように見えるのは俺だけ?」
きょとんとしたエノラをイネスの面白そうな、そして、こよみの哀れむような視線が迎えた。
「あら、うさぎさんは悪い子ね」「・・・あぁあ…」
「うぉ、言っちゃやばかったんだ」
さーっと青ざめるエノラ。イネスが微笑みながらうさぎさんをどこかに運んでいく。
「待った! 悪かった! 俺が悪かったから!!」「・・・」
遠ざかっていく二人を見送ってこよみはため息をついた。
そして、くるりとカメラを向き直る。赤いランドセルをしょった少女。
「ま、そんなところだ。元ネタを知らなくても面白くするのが作者の腕だが、元ネタを知っておいた方がいっそうイメージが膨らんで面白いと思うぞ。
まぁ、それじゃな」
こよみがカメラに手を伸ばし、回線OFF。
「なぜなに、リ・ジェネシス。おしまい」
「俺が悪かったって!!」「大丈夫よ、痛いのは初めだけ。すぐに何もわからなくなるわ」「だれかぁ…」
フェイド・アウト。
あとがき
まぁ、そういう話ってことです(苦笑)。