Re-Genesis(リ・ジェネシス) 再創生
機動戦艦ナデシコ
2次小説
descripted by Veneficus(うぇねふぃくす)...



再創生記

Index

地理

地球=月圏

月軌道L3
 地球連合航空宇宙軍最大の根拠地リンデンバウムが存在する。リンデンバウムには外宇宙艦隊司令部、内惑星系艦隊司令部、月軌道艦隊司令部の航空宇宙軍の中核となる3つの艦隊司令部が設置されている。そのため、根拠地としての名前よりも、三艦隊統合司令部としてその名を呼ばれることが多い。
 位置としては月軌道のちょうど地球を挟んだ反対側であり、大小合わせて20近いコロニーやドックによって形成されている。太陽系最大の泊地である。

火星

ユートピア平原
 火星最大の植民都市ユートピア・コロニーが存在した。
 人口はおよそ100万人。しかし、木連軍の時空転移門(CHULIP)の落下の結果、生存者はわずかに8000人ほどであった。
オリンポス山
マリネリス峡谷
ヘラス平原
北極冠シティ
 火星北極冠にある都市。人口およそ二十万人。ネルガル重工の肝いりで建設された研究都市でもある。
 本来は地球化改造の段階で海底に沈む予定だったが、グレート・バリアと呼ばれるダムによって海面を支えて都市周辺の大地を維持し続けている。
 同じ地域に北極冠遺跡イワトの発掘現場が存在する。
 ネルガル直属の都市警備隊も存在し、火星では最良の軍事組織を保持していた。核融合炉を設置したNPG-03 ノクターンは開発初期のエステバリスに火星大気圏内での戦闘機動を行うためのブレードと装甲を付けたものであり、良好な戦果を上げることができた。
 大戦初期において木連軍の攻撃を受け全滅する。

木星

ガリレオ衛星群
 かつてガリレオ・ガリレイが発見し、命名した4つの衛星、イオ、カリスト、ガニメデ、エウロパを示す。木連、木星系ガリレオ衛星群反地球連合共同体の主要な衛星である。
 このうち、イオは木星の強力な地場によって活発な噴火を繰り返しているため、最低限の観測施設しか存在しない。
カリスト
 カリストのヴァルハラ・クレーターにあるヴァルハラ市には、木連軍統一軍司令部が設置されている。
アナンケ
 木連軍特別優人部隊の根拠地がある。
月読級市民船
前方トロヤ群(ギリシア群)
木星の公転軌道L4の重力均衡点に位置する小惑星群。トロイヤ戦争のギリシア側にちなんだ命名がされている。
 木連軍の木星系以外の外地では最大の泊地であり、木連本星防衛の最前線となっている。
後方トロヤ群(トロイア群)
 木星の公転軌道L5の重力均衡点に位置する小惑星群。トロイヤ戦争のトロイ側にちなんだ命名がされている。
 元々は木連の鉱物資源開発基地が設置されていたが大戦中期に火星宙軍によって占領される。以後、火星宙軍による対木星戦策源地となる。

太陽系

オールト雲
 太陽系外周約0.1光年のところを公転している小惑星帯。彗星の巣とも呼ばれ、太陽系に降ってくる彗星のほとんどがこのオールト雲にあった小惑星が惑星の摂動によって重力均衡点から外れたものと考えられている。
 実態は太陽系が形成されたときに使われなかった岩石や氷が寄り集まったもの。
 一般的には太陽系の最外縁と考えられる。

組織

地球連合航空宇宙軍

 『人類圏の無限の拡大』を唯一絶対の目的に組織された。人類圏最大規模の軍事組織。

航空宇宙軍編成

 航空宇宙軍には以下の艦隊司令部が存在している。蜥蜴戦争後、これらの組織は新地球連合統合平和維持軍の発足に伴い改編される。


 西暦2196年第3クォーターを以て航空宇宙軍はその手足となる艦隊の再編制を実施した。  新設された二つの艦隊、第6艦隊、及び、第7艦隊は木星勢力に対しての反攻を前提とした艦隊である。
 木星圏までのおよそ5.2天文単位。光の速度にして43分の距離にあたる広大な惑星間空間の制宙圏を保持するために編成された艦隊が航宙輸送護衛艦隊である。それに対して、木星系への長駆、侵攻を前提に設計された艦隊が第7艦隊、外惑星艦隊である。
 これ以外にも地味ではあるが、興味深い改組、配置転換が行われている。
 特筆するべきは、リンデンバウム――地球=月軌道L3宙域に存在する航空宇宙軍の巨大泊地――に設置されていた三艦隊司令部、内惑星艦隊、月軌道艦隊、外宇宙艦隊から、月軌道艦隊、内惑星艦隊が月の裏側ヘヴィサイド・クレーターに移設、新設された第六,第七艦隊と、これまでヘヴィサイド・クレーターに司令部を設置していた第四艦隊がリンデンバウムに転籍することとなる。

XION(シオン)
 地球連合航空宇宙軍を管理していると噂される中枢ネットワーク。その実体は地球、月、月軌道L3に設置された航空宇宙軍の支援AI群ネットワークである。
幼生固定体(ナイファティ)
 XIONの人型インターフェイスとして開発された4体の遺伝子加工体。
 コードネームは、ヴィクトリア(勝利)、グローリア(栄光)、オーリオール(光輪)、ニンバス(後光)とされている。
 五体目の幼生固定体ルージュ(鮮紅)も存在するらしいが、定かではない。
虐殺部隊(スローターフォース)
 航空宇宙軍の特殊作戦部隊。存在を見た全てを消し去ることから、虐殺部隊という名が付けられている。主にXIONの機密保持のために行動する。稼働はXIONの機密保持事項に抵触するかどうかによって決定され、指揮はルージュがとる。

木星系ガリレオ衛星群反地球政府共同連合体

 総人口2千七〇〇万人。
 総軍規模16万2000人。

火星植民都市国家連合


 総人口160万人。
 総軍規模8万7000人。

軍事

地球連合四軍
 地球連合政府は人類社会唯一の暴力装置として四軍を設置している。
 陸軍(アーミー)、海軍(ネイビー)、航空宇宙軍(エアロスペース・フォース)、州軍(ナショナル・ガーズ)の四つである。
 蜥蜴戦争後、陸軍、海軍と、航空宇宙軍根拠地隊と、木連軍を統合し、新地球連合統合平和維持軍が編成されることとなる。

編成

戦術航空団
 航空宇宙軍では空地分離に基づき、戦術航空団を編成している。
航空戦闘団
 エステバリス、オンシジュームによる航空主兵が台頭してきた航空宇宙軍では、地球における作戦行動の柔軟性を維持するために、根拠地に所属した方面艦隊を解体し、陸軍編成における師団に相当する航空戦闘団を編成した。
 その戦果はめざましく、航空戦闘団で解決できる地球圏に艦隊は不要との論が航空宇宙軍で主流を占め、やがては第三艦隊の解体に繋がることとなる。

艦艇

地球連合、航空宇宙軍

リアトリス級巡航艦
エンディミオン級巡航艦
ギャラクシー級攻撃型航宙母艦
 最良と言われた火星宙軍のクェーサー級攻撃型航宙母艦を航空宇宙軍向けに拡張した発展型の航宙母艦。
 クェーサー級ほどの航宙機展開能力を欠くものの、大型機も含め、1.2倍の搭載量と強力な防宙能力は名実共に最強の航宙母艦として大戦期中各所で多くの武勇伝を示すこととなる。
クラスター級艦隊型航宙母艦
 艦隊直援を目的とした護衛航宙母艦。エステバリスやエステバリス・カスタム、エグザバイトなどの機動兵器を搭載し、艦艇に取りつこうとする敵機動兵器の排除を行う。
 もっとも攻撃的な防御兵器と呼ばれ、戦況が有利となると ADFPM を搭載したミサイルパックを装備して敵艦隊への襲撃なども行った。
 このクラスター級の優れたところは、単艦での機動兵器積載量などではなく、同級艦やその発展系であるヘイロー級と機動兵器管制連動が可能となる点である。
 旧来、ナデシコ級などで開発された重力波ビームによるエネルギー供給は本格的な航宙戦闘距離に置いて短すぎ、機動兵器の柔軟性の足かせとなってきたが、本級の管制連動によって、他の艦に所属する機動兵器へのエネルギー供給を肩代わり、ないし、中継することが可能となったため、艦隊防宙に置いて飛躍的に運用自由度が広がった。
グラウキディウム級正規戦闘艦
 航空宇宙軍がゾディアック計画に基づき、エンディミオン級巡航艦の設計を拡大し、長期惑星間空間の航続距離を持った正規戦闘艦。太陽系全域を活動範囲に収めたこの正規戦闘艦は、大戦末期に外宇宙・外惑星両艦隊に配備され、良好な成果を上げた。
 戦後、航空宇宙軍が迎えた大軍縮においても、ゾディアック・フリートと呼ばれたこれらの艦艇は廃棄されることは無かった。
ヘイロー級護衛航宙母艦
 ヘイロー級護衛航宙母艦を厳密な意味で航宙母艦と分類してもいいのか、多くの異論がある。
 それはヘイロー級護衛航宙母艦の搭載機数が基本6機、無人機の外部牽引を含めても、定数10機にしか達しないと言う点にある。それでもこの艦が航宙母艦に分類されるのは、ヘイロー級とクラスター級航宙母艦が機動兵器重力波ビーム連動管制を実現したということが大きい。
 従来の航宙母艦では、機動兵器部隊は各母艦の所属しており、地球圏艦隊(第三艦隊)などでは母艦の編成から航空戦闘団を形成していた。しかし、戦闘圏がおもに月軌道、そして、内惑星系にまで拡大すると、従来の母艦に所属する形式では適切な機動兵器運用を実現できず、また、母艦が破壊されると、そのまま、戦闘不能になってしまう状況が頻出することになった。
 加えて、戦域の急速な拡大は船舶不足を引き起こし、護衛艦にフル・スペックの航宙機母艦を建造する余裕が無くなってしまった。
 そのため、この事態を抜本的に解決するために、航空宇宙軍は火星宙軍のパーム級機動兵器母艦の戦訓を取り入れ、重力波ビーム母艦と機動兵器輸送艦を分離、戦域指揮機能を組み込んだヘイロー級護衛航宙母艦を量産することとなった。

木連軍

 木連軍の航宙艦についての評価は難しい。
カトンボ級駆逐艦
ヤンマ級突撃艦
オニヤンマ級大型戦艦

火星植民都市連合軍

ファイア・バード級防空巡洋艦
パーム級高速輸送艦改装母艦
 広がる戦域に対し火星宙軍が乏しい戦力の有効活用のために、7万トン級高速輸送艦を改装して配備した航宙機運搬艦である。
 ヘンプ・パーム、ポメグラネイトの両艦はまさにただの運搬船だった。満足な整備員も持たず、貨物庫に専用の装具でチグリフォーン、コレオプテールなどの航宙機材を固定しているだけであり、着艦能力もなく、乗員を戦場まで運ぶための艦だった。
 しかし、火星宙軍にとって本格的な航宙機母艦を手に入れるまでの繋ぎとしては充分な能力を保持しており、火星圏での戦闘に良好な成果を残している。
  • 改装母艦(ライト・バトルスター) BSL-01 ヘンプ・パーム
  • 改装母艦(ライト・バトルスター) BSL-02 ポメグラネイト
エンディミオン級巡航艦
 火星宙軍の主力戦闘艦である。
 ボソン・ジャンプを戦力の要とする火星宙軍はついに戦争終結まで、戦艦を保有することはなかった。
 火星宙軍はこのエンディミオン級をベースに4種類の巡航艦を派生させている。
  • 電子戦作戦母艦 CCF
  • 跳躍誘導艦 CCG
  • 特設砲艦 CCA
  • 空間歪曲場専用艦 CCD
 エンディミオン級はオプションの変更によって様々な自体に対応できるため、これらの艦種は固定的なものではない。
 火星宙軍の旗艦となったエンディミオンは当初、作戦母艦として電子戦兵装を重点に改装されたが、後に火星宙軍の戦線が内惑星系に広がる時点でジャンプ・シップとしての追加改装も受けている。

  • CCF-03 エンディミオン
  • CCA-04 アクタイオン
  • CCA-05 パエトーン
  • CCG-06 アスクレピオス
  • CCG-07 マルシュアス
  • CCG-08 イカロス
  • CCD-09 アドニス
  • CCG-12 アイアコス

 航空宇宙軍が内惑星系での制宙圏を確立して以降は、火星宙軍は独自の巡航艦の建造を中止し航空宇宙軍から巡航艦貸与を受けることとなる。また、保持していた全ての艦艇を跳躍誘導艦に改装し作戦に従事することとなる。
クェーサー級攻撃型航宙母艦
 わずか2隻しか建造されることのなかった、大戦期最良と称される航宙母艦。
 チグリフォーン32型、52型を28機、コレオプテール3型を24機、合計52機の航宙機運用能力を持ち、その展開能力は木連側をしてついに母艦を見ることが敵わなかったという伝説を残している。

  • CBS-10 クェーサー
  • CBS-11 セイファート

技術

機関・エンジン

核パルスエンジン
 小規模な核爆発を連続的に起こすことで推進力を発止させる形式のエンジン。環境上の問題から核分裂は使用されない。主にレーザー核融合炉のことを指す。
核融合炉
 原子核同士が結合する時に放出されるエネルギーを利用する炉。
 核融合の炉としては二種類の形式があり、それぞれで様々な反応が利用されている。

核パルス
 核パルスは小さな核融合爆発を連続的に起こし、その爆発のエネルギーを利用するものである。燃料ペレットと呼ばれる重水素と推進剤を固めた球形の燃料を高速で打ち出し、均等に反応が起こるよう透過力とエネルギー伝達力の高いX線レーザーを起動機に使って、反応を発生させる。
 核融合のエネルギーは推進力として使うだけでなく、高温のプラズマによる誘導起電力を利用して発電し電力を取り出している。この電力取り出しと、プラズマの排出、推進力への利用を行うのが電磁スラスターである。
 この形式を一般にレーザー核融合炉と呼ぶ。核パルス・エンジンとも呼ばれる。
磁気封じ込め核融合
 高温高圧のプラズマを磁気によって封じ込め、熱核融合反応を起こす。
 形式としては、トカマク、タンデム・ミラー、ビーム核融合、なども存在しているが、現在実用化されているのはトカマク型を発展させ磁気コイルをねじ状に回転させて封じ込めの圧力を高めたヘリカル核融合炉の形式である。

 反応としては重水素=重水素(D=D)反応、重水素=三重水素(D=T)反応、三重水素=ヘリウム3原子核(T=He3)などがある。技術的にはDD炉の方が反応温度が高いため困難だが、リ・ジェネシスの磁気封じ込め形式の炉ではDD炉が実用化されているものとする。

レーザー核融合炉
 重水素とプラズマ化しやすい推進剤を固めて作成した燃料ペレットにX線レーザーを照射し、そのレーザーの爆圧とエネルギーで核融合反応を引き起こす。製作の簡易さと安定した構造から、主に宇宙船のエンジンに使用されている。核パルスエンジンと呼ばれる機関はたいていこのレーザー核融合炉を意味している。

ヘリカル核融合炉
 高温のプラズマをヘリカル状の磁気コイルに凍り付かせ、その熱と圧力で核融合反応を引き起こす。トカマクと呼ばれている形式の発展型。常時反応しているため、そのプラズマ封じ込めには高度な技術を必要とする。核融合反応によって発生された熱エネルギーは電磁誘導発電によって電力にダイレクトに変換される。電力へのエネルギー変換効率が大変高い炉である。

反物質炉
 ヘリカル核融合炉の後継反応炉として開発されていた。
 基本設計はヘリカル核融合炉と同一であるが、反陽子と呼ばれる陽子の反物質を粒子ビームの形で磁気コイルに凍り付いている水素プラズマに照射し、陽子・反陽子の対消滅反応から発生する中間子の電荷の形でエネルギーを取り出す。
 反物質の危険性の問題で、現在、実験段階にある。相転移炉が普及するまでは、反物質炉こそが次世代の主機関であるといわれていた。

相転移炉
 重力による空間の過冷却を行い真空の持つポテンシャルに蓄えられているエネルギーをヒッグス粒子の形で取り出す。空間の過冷却が必要であるため、機関の重力波ドライバーの焦点に物質があると物質の次元が展開されてしまい、空間の過冷却に余計なエネルギー投下を必要としてしまう。しかし、燃料を持ち運ばなくても構わないという点から、反物質炉よりも急速に開発が進むことになる。
MHD(磁気流体誘導)発電
 プラズマ化した荷電粒子が磁性体の中を運動することによって生じる起電力から電力を取得する。従来の蒸気タービン方式が30パーセント程度の発電効率であるのに比べて、80パーセントを超える高い発電効率を誇る。

重力制御技術

空間歪曲場(ディストーション・フィールド)
 重力波を発信し、周囲の時空計量を制御することによって測地線をねじ曲げる場を作成する。光の運動は測地線に沿って移動するため、旧来のレーザーや電磁波による観測では観ることができなくなる。
収束空間歪曲場(デフレクタ・ポイント)
 空間歪曲場を一方向に強く収束させたもの。ディストーション・フィールドによる高速度攻撃の状態を常に維持しているものと考えてもよい。
 その代わりに収束方向以外への空間歪曲場は弱くなるが、高速度で機動することを前提とした機体では、被弾面積の関係上、デフレクタ・ポイントを利用した方が損傷率が低下する。
ステルス・コート
 空間歪曲場の一種。光学的にも観測されないほど強力な空間歪曲場を形成し、電磁波、光学的に観測できなくなる。ただし、強力な重力波を周囲の空間に発信するため、重力波観測には引っかかりやすい。
重力カタパルト
 重力カタパルトには2種類ある。
  • 宇宙開発初期に利用された。スイング・バイとも呼ばれ、惑星の引力を利用し、動力のついていない探査衛星を加速、方向を制御する。
  • 重力制御装置によって発生された人工重力によって母艦から機動兵器や爆雷を射出する。重力傾斜による自由落下によって加速されるのでパイロットは加速Gの影響を受けない。
慣性中和装置
 完全な慣性制御とは慣性質量と呼ばれるエネルギーの時空間に対する引きずりを自由自在に制御することだが、この時代の技術は未だにその域に到達していない。
 現在、使用されている慣性中和装置は反動浮遊型の技術である。
 これはコアとなる部分を自身が加速する方向へ重力カタパルトに載せて自由落下させ、それに追随する形で自分も加速する物である。これによってコア部にかかる加速は低く抑えられる。
 しかし、外部からの衝撃を打ち消すことはできない。

推進器(スラスター)

電磁スラスター
 核融合反応によって発生した高温のプラズマを磁場によって誘導し、MHD発電を行ったうえで、推進剤を加えて吐き出す事によって、推力として機能する。

重力スラスター
 四軸の重力波発信器から重力波を発信し、重力場を形成して加速する。大量の電力を消耗するが、加速は常に自由落下となるのでGを感じることはない。周辺の空間に重力場を形成するという間接的な加速方式であるため、加速力は電磁スラスターに比べかなり低い。

通信

ニュートリノ通信
 中性微子を発信して通信を行う。ニュートリノは質量をほとんど持たず、透過性に優れた粒子で惑星の陰になってもほとんど減衰することなく透過する。ただし、受信施設が大がかりな物となるため、ほとんど利用されていない。

輸送

対地効果船(WIG)
 巨大の翼を持った船で海面と翼面の間に空気のクッションを形成して滞空能力を向上させる。
 航空機の速度と船舶の輸送力を兼ね備え、燃料の消費が従来の航空機の三分の一ですむという海洋交通の主力。

兵装

爆雷
 宇宙空間で十分な相対速度がある標的に対し、10平方メートルあたり10キロ前後の結晶金属を散布し、標的を破壊する確率兵器。惑星間空間では交差する船舶同士の相対速度が高いため、標的の前方に爆散破片をばらまくこの爆雷が主要兵装となっている。

機動爆雷
 加速可能なエンジンを装備した爆雷。
 爆雷は双方の艦艇の速度が相対制止の時、爆発によって与えられた初速度程度の威力しか持つことがないため、強力な空間歪曲場を装備した艦艇を破壊しづらくなってしまう。それを補うために、敵艦の空間歪曲場をそのまま突破できる程度の速度にまで加速するエンジンを装備したのが機動爆雷である。
 双方が相対静止状態でなくても攻撃の柔軟性が広がる機動爆雷は、惑星間宇宙での主兵装となる。

プローブ
 危険な宙域への探査を行わせるための使い捨ての探査ユニット。センサと通信機、加速用エンジンだけの簡便な構造をしている。

重力波収束砲(グラビティ・ブラスト)
 重力波を収束し強力な潮汐力を発生させ、すべての物質を粉砕する兵器。
 重力波そのものは光速で伝搬するが、実際に標的を破壊するのは重力波の発信によって焦点に形成された異常重力部分であるため、その焦点の移動に時間がかかる事となる。

電磁レールガン
 弾体の加速に従来の火薬式ではなくフレミングの左手の原理を使用したものの総称。
 磁場に垂直に電流を流すと垂直方向に力が働く。そこで強力な磁石と電線の筒を作り、弾丸を通して電流を流せば、その弾丸を加速することができる。充分な電力と、無限の長さを持ったレールがあれば、弾丸を亜光速まで加速することすら可能になる。
 現実的には、携帯できるバッテリーの大きさや、空気抵抗などから制限があるが、最終速度はレールの長さと入力電力に比例する。
ボソン砲
 火星宙軍の装備名としてはトランスフォーム砲という名称が正式名称として採用されている。
 標的に対して爆弾をボソン・ジャンプさせることで、空間歪曲場や装甲などの防御機能を飛び越えてダメージを与える。
 この兵器の普及により、大戦後期には各宇宙軍は艦艇は大艦巨砲から多目的フリゲート艦を中心とした軽装艦艇へと装備の更新がなされることとなる。
反物質弾
 内惑星系の絶対制宙圏を確保した航空宇宙軍が水星近傍に展開した太陽光発電衛星群によって生成された反物質を軍事利用したもの。
 本来は航空宇宙軍の次期主力艦艇の主機関となる反物質炉のための反物質生産プラントだったが、相転移機関の急速な普及により大量の備蓄が問題となっていた。航空宇宙軍は火星宙軍に対して戦略・戦術兵器として、この反物質弾を供与することとなる。
反粒子ビーム砲
 

機動兵器

地球連合、航空宇宙軍

CE-39 オンシジューム
 Spex-A 種航宙戦闘機ケストリーの正式採用名。
 地球圏で最初に局所空間歪曲場(デフレクタ・ポイント)を採用した。
CF-42 ラケナリア
 Spex-A 種航宙戦闘機ケストリーの後継機ドミストリの正式採用名。
CF/A-43 パフィオペディウム
 XCF-42 ドミストリを改装し、相転移機関を搭載、加えてB計画で作成された高機動ユニット「アクティブ・マニューバ」を採用した航宙戦闘攻撃機。機体設計は明日香インダストリー製だが、その主機である相転移機関はネルガル重工がエステバリス月面フレーム用に開発したものである。
 その軽快な機動力と長期にわたる作戦行動が可能な航続力、対ディストーション・フィールド貫通ミサイルの搭載量によって、航空宇宙軍外惑星艦隊の母艦航空隊主力多用途(マルチパーパス)機として、木星系攻略に多大な貢献を果たすことになった。
CF-40 エステバリス 0Gフレーム
 空間歪曲場を展開する艦艇の防空兵器として開発された人型機動兵器。
 全高 6.24 メートルというサイズは木連軍の無人機動兵器に対して圧倒的な優位を獲得し、かつ、市街地、コロニーなどでの活動を可能とする最低限の高さとして設計されている。
 その戦闘力は皮肉なことに本来の主戦場であるべき宇宙空間よりも、重力波ビームによる濃密なエネルギー伝送の可能な地球上で良好な戦闘結果を示した。
CF-40-II エステバリス・カスタム
CF-45 エグザバイト
XCF-48 エリクセン(コードネーム、エンドア・ジェネシス)

木星系ガリレオ衛星群反地球政府共同連合体、木連軍

ジョロ
バッタ
ミズスマシ

火星植民都市連合、植民都市連合軍

MLC-02 チグリフォーン
 火星植民都市連合軍(マーシャン・リンク)で正式採用された機動兵器。大戦を通じて太陽系最強の機動兵器として勇名を馳せることとなる。

チグリフォーン11型
 『最強』。単純すぎるまでのそのコンセプトを元に火星ヘラス・シティで作成された大型機動兵器。
 航空宇宙軍より送信された量産型エステバリスとケストリの技術情報を元に、デフレクタ・ポイントを備えた機動兵器として設計された。
 主エンジンはレーザー核融合炉を装備し、1軸の電磁スラスターを備えた。機動能力は重力波発信器に頼っており、機体の3分の2もの全長を持つ巨大なブレードは、3軸慣性制御装置によって『異質』とまで表現された機動力をこの機体に与えた。
 ただ、この異常な軸数の慣性制御装置のために機体の制御は困難を極め、量産機としては事実上の失敗作と言われている。
チグリフォーン21型
 11型の失敗を元に、主エンジンを通常のヘリカル核融合炉2機にし、運動能力を全て重力波スラスターに任せた思い切りの良い機体。
 複雑な操縦系を要求した慣性制御装置も3軸を廃止し2軸のバランスのとれた配置に設計し直したため、加速性能、機動性、ともに低下する結果となる。
 しかし、発電に特化したヘリカル核融合炉を採用したことで航続性、デフレクタ・ポイントの強度は上がり、活動範囲の広い機動兵器として火星の最強戦闘機としての地位を確固たるものとした。
チグリフォーン22型
 21型の設計をさらに簡素化し、重力波ブレードの可動機能、変形機構を取り払った航宙戦闘機。
 大戦中期木連軍の機動兵器がフィールドの強化などの出力向上を実現したことから、対抗するために開発された。機体の大きさは全長12メートルにまで小型化を実現する。また、加速性能、フィールド強度が向上した。
 反面、『異質』とまで称された機動性能はなくなったが、より操縦しやすくなった上に電力の余裕ができたことから、様々な用途に改修され、多くの派生機が誕生することとなる。
チグリフォーン31型
 21型をベースに重力波ビーム受信機を搭載、核融合炉を捨て完全にバッテリーのみの艦船直援機として開発された。21型の機動性と22型の小型さ、フィールド強度を誇り、最強の艦載機として大戦中期以降の戦場で武名を得ることになる。
チグリフォーン32型
 22型をベースに重力波ビーム受信機を搭載した量産型戦闘機。クリムゾン・スペイシャル社によって邀撃機として、航空宇宙軍根拠地隊に売り込まれる。操縦のし易さと機動性、そして、強力なフィールド強度によってラケナリア(ドミストリ)と基地航空隊の主力の座を取り合うこととなる。
チグリフォーン51型
 チグリフォーン22型をベースに開発された無人戦闘機。
 艦隊防空用に開発された。ただ、あまりのコスト高にチグリ3型をベースにした52型に切り替わることとなる。
チグリフォーン52型
 チグリフォーン32型をベースに開発された無人戦闘機。
 人的資源の乏しい火星軍が友軍の機数を増やすために指揮機に追随し、その列機として支援を行う機体として開発した。大戦後期、この機体を従えた火星軍の航宙機隊は『オプション付き』として戦場で忌み嫌われることとなる。

MLE-03 コレオプテール
 火星植民都市連合軍戦略宙軍に所属するジャンパー専用戦闘攻撃機。後に大戦期最も美しい機体と賞賛される。
 機体後方に特徴的なジャンプリングを抱え、ボソン砲から5キロトンの戦術核ミサイルを4発までジャンプさせる凶悪な戦闘攻撃機。
 大戦初期に1型が実験機として数機がロールアウトされ、その後、火星でのジャンパー養成が進むに従って改修された2型が本格配備される。
 最終的には全長38メートルの相転移エンジンを搭載した4型が配備されることとなる。

MLC-04 コードB(ブラスティ)
 地球連合航空宇宙軍が単艦で木星圏到達能力を要求したエリクセンB計画に基づいて製作された機動兵器。
 後にラケナリア(ドミストリ)にも搭載されるアクティブ・マヌーバを設計段階から採用した、異常なまでの機体剛性を誇る巡航追撃機である。
 主兵装としてグラビティ・ブラスト一門を持ち、ジン・シリーズ以上の戦闘可搬性を備えた機体として大戦期を通し運用されることとなる。大戦後期には砲力の不足が問題となったが、航空宇宙軍との交渉により、反物質の補給を火星宙軍が受けられるようになったことから、主砲を反粒子ビーム砲に交換。加えて・・・。
 数多くの神話に彩られた機体だがパイロット名はついに戦後も公開されることはなかった。

MLE-05 クラ・カナール
 対艦兵装の極みと言えるこの機隊は、ブラスティとチグリフォーンの基本船殻をスリム化した無人機である。
 チグリフォーン51型、52型で蓄積された無人機運用技術と、ブラスティの船殻を合わせ、自力で機動兵器などの障害を排除し、対艦攻撃を行える無人機として大戦後半に火星宙軍によって運用されることとなる。
 弾頭部に航空宇宙軍から供与された反物質弾を内蔵し、外部オプションとして短距離跳躍用リングを装備したクラ・カナールは、コレオプテールの列機として初期誘導され、短距離ジャンプによって大型戦闘艦のディストーション・フィールドを突破した後、標的に突撃する。



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