Re-Genesis(リ・ジェネシス) 再創生
機動戦艦ナデシコ
2次小説
descripted by Veneficus(うぇねふぃくす)...

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第七話 Cパート

 『堕ちた天使が「謳う歌」』


1.

 木星系は小さな太陽系だ。
 およそ16の衛星を従え、三つの氷のリングに包まれている。
 木星最外苑はおよそ2千370万キロ。光の速度でも1分以上かかる広大な宙域を占める。
 この広大な衛星系には、軌道が確定していない衛星が数多く浮かんでいる。光学的に観測されているだけでも60以上もの小衛星、直径10キロに満たない衛星、が観測されている。1キロにも満たない衛星ともなると、それこそ無数としか言い様がない。
 これらの小衛星のほとんどは木星と他衛星との朝夕力で軌道を揺るがされ、安定した軌道を得ていない。そういった岩石はまるで彗星のように、楕円軌道を描いて木星系の衛星軌道を横切っている。
 木星系ガリレオ衛星群反地球連合共同体の木星系衛星カタログに「しか1630」と名付けられた全長800メートルほどのなんの変哲もない岩塊に、2隻の駆逐艦が近づきつつあった。木連軍の無人艦、カトンボ級駆逐艦だ。
 二隻の艦影は、迫る岩塊に比べてか弱く小さい。その二隻は衛星に近づくと、二手に分かれて岩塊に向けてレーダーの照射を始めた。
 ゆっくりと、死角を無くすように二隻は岩塊を中心に回転するようにセンサを向ける。
 その先で、暗い影の狭間に、潜むモノがいた。
 受信した電磁波によって目覚めたソレは、現在受けている行動優先順位を確認する。

 標的に対する攻撃許可・・・なし
 現在の交戦状態・・・・・・状況待機
 発見時の自衛行動・・・・・不許可
 隠匿要求・・・・・・・・・最大限

 休眠状態のソレは可能な行動オプションの中から適切な行動を用意する。もちろん、見つからなければ、それが一番なのだが。
 パッシブ・センサの感知する電磁波の強度がジリジリと上がる。そして、ふっと消えた。次に来たのは連続波だった。ソレは事態をすぐに把握した。射撃管制用レーダーで精密走査されている。
 ソレは直ちにバッテリーからレーザードライバーにエネルギーを回す。機構が腕を広げレーザー発信器の焦点を機体後方、緊急加速用の推進剤が蓄えられた外部燃料タンクに向けられた。
 点火。
 レーザーに打ち抜かれた燃料タンクから広がる火球がソレを包む。蓄えられた重水素と破損したタンクから一瞬にして広がった酸素が混じり合い、二次爆発が発生して機体を完全に焼き尽くし吹き飛ばした。
 軸線砲を向けていた2隻のカトンボ級駆逐艦は目標が攻撃前に自爆したため、重力波砲(グラビティ・ブラスト)の発射を中止し、再び、センサを岩塊へと向けた。拡散するガスと破片が飛び散り、やがて、静かな宇宙が帰ってくる。そこに先ほど検知した金属による強い反射波は存在しなかった。
 カトンボ級駆逐艦は後方に通信を送ると、次の衛星への会合軌道に遷移する。
 木星系にはまだ多くの衛星が存在していた。

 白い木連軍軍服を着た角刈りの男達の手で、七つ目の星印が壁に掛けられた木星系全図の上に取り付けられる。
 木連軍中将草壁春樹は渋い顔でその様子を見つめていた。
 これはこの10時間ほどの間に木星系全域に展開させた無人艦による衛星調査の戦果だった。
 先の外交交渉で火星政府の外交担当者の言葉から木星系に潜む罠の存在を知った草壁は、ドック待ちで木星系各地の重力均衡点(ラグランジュ・ポイント)に遊弋していた無人艦隊を急遽、衛星調査に派遣していた。主に、カトンボ級駆逐艦やヤンマ級突撃艦によって編成された調査隊は、特に木星系で複数の衛星軌道に跨る長円軌道を取る衛星に重点を置いて派遣された。この6000隻近い艦船によって行われた根こそぎの調査は直ちにこれだけの結果を返していた。
「何とも恐ろしいですな。もし、これに気付くことなく火星に軍を発していたら、果たしてどんなこととなっていたのやら」
 秋山源八郎が大きく横に首を振りながら安堵の声を出した。
「うむ。恐るべきは地球人どもの奸計。我らが、そして、女子供が幸せに暮らす大切な故郷にこのような陰湿な罠を仕掛けてくるとはな。
 今回は幸いにして未然に防ぐことができたが、奴らの罠、これだけとは思えん。早急に本国防衛艦隊を整備し、二度と後れを取ることがないよう、禍根を断たなければならない」
 草壁は大きく胸を張ると、この場にいる軍首脳部、そして、多くの将兵に指示を出した。
「まず、守るべきは市民船、衛星都市。これらすべての都市に二個戦隊の護衛艦隊を貼り付けよう。この戦隊こそが悪の暴虐から市民を守る最後の盾となる。南雲君、直ちに無人艦隊の編成に取りかかってくれたまえ」「ハッ! 了解であります」
 事実上、木連本国の防衛艦隊を任された事に、南雲義政少佐が喜びの声を上げて敬礼する。木連本国の防衛は先頃の核攻撃で大幅な人事の刷新が行われて以来、草壁中将の直接指揮下にあった。それを、草壁は南雲に任せようと言っているのだ。張り切らない方が無理だろう。
「火星は地球からあの恐るべき兵器を受けとっていない。彼らの最大の火力はせいぜい融合弾だろう。ならば、オニヤンマ級戦艦であれば、その強力な空間歪曲場(ディストーション・フィールド)で大部分の破壊力を吸収できるはず。期待している」「お任せください!」「うむ」
 重々しく頷いて、しかし、草壁は南雲が本国防衛艦隊を整備するのにかかる時間を考えていた。
 木星系は広い。以前発見された火星軍の輸送船は六万トン級の軍用輸送艦だった。搭載できる機動爆雷の数にはまだまだ余裕があったはずだ。となると、たかだか、七個程度を排除したぐらいでは木星系の安全は保証されていない。国民を正義の戦いに駆り立てるには、木星系自体に被害を出すわけにはいかなかった。本国への被害は安易な厭戦気分に繋がりかねないからだ。
 木連、木星系ガリレオ衛星群反地球連合共同体の人口は三千万弱。木星の強力な磁場、そして、放射線の中、平均寿命も決して長くない。その中で、兵役可能者の人口はおよそ百万ほどに当たる。もちろん、後先考えず根こそぎ動員すれば、五百万近い戦力を用意する事も可能だろう。しかし、それは社会の死を意味している。生産の多くをプラントに依存し、多くの無人機械に労働を委託している木連でも、十代半ばから四十台までの人口を根こそぎ戦争に投入すれば、社会を維持する手段がなくなってしまう。生産を無人機械や豊富なエネルギーが分担してくれるとしても、人間が数多く生きている以上、分配や加工、サービスがなくなるわけではないのだ。
 だが、その百万という数は地球連合から見ると連合を構成する二百近い州の一つ程度の戦力でしかない。大国と呼ばれる二十近い国家であれば、どの国でもそれだけの人口を動員することが可能だろう。
 攻めている。木連は確かに地球連合を攻め続けている。
 だが、着実に迫りつつある地球連合の総反攻を前に、本国に被害を受けて戦争を止めたくなるなど論外だった。
「明日、1600時を持って、我々は火星に対する懲罰を実施する。各位、心するように」
 草壁は決断する。
 火星の大地を、遺跡を手に入れ、その力で地球をねじ伏せる。
 あるいは、草壁という人物には地球圏と木連の差が見えすぎていたのかもしれない。地球連合は少数である木連を数で圧し、経済圏の接触と共に木連を吸収してしまう。木連を草壁の愛した木連のまま維持していくためには、木連が地球を支配する以外に道はなかったのかもしれない。
 それが、どれほどの血で塗り固められようと、草壁にはこの道を征くしかなかった。





2.

 男は普段身につけている感覚サポート用の感覚器が内蔵された黒ずくめのスーツを脱ぐと、火星植民都市連合軍の耐Gスーツに着替えた。
 わずかに残るバイザーからの視覚情報を頼りに更衣室から出る。その扉の横に、アジア系の少女が背をもたれて待っていた。
「機体は?」「こっちだ」
 こよみは身を起こすと、テンカワ・アキトを右手を大きく振って呼びかけた。
 多くの機体が整備されている格納庫の一つ、キャットウォークの剥き出しの金属に二人の不揃いな足音が響く。
「ブラスティは残念ながらジャンプ・シップへの改装がまだ終わっていない。どんなに急いでももう3週間はかかるからな。別の機体を用意した」「ほう?」
 早足で急ぐこよみをアキトはゆっくりと追いかける。
「と言うことはチグリフォーンか。2型では機動力に不安があるが」
 少し考えたアキトに少女が振り向く。勢いよくポニーテールの後ろ髪が大きく揺れた。
「いや、チグリでは敵性母艦(チューリップ)が陥とせんだろう? だから、コレオプテールを用意した。複座だからドクターを迎えに行くのにも丁度いい」
「コレオの複座、2型か…」「そうだ。主機を二機に増強してある。1型で問題だったミサイル発射時の収束空間歪曲場(デフレクタ・ポイント)の出力低下も解決済みだ。その分機体は重くなったが、生存性は格段に違う」
 説明するこよみの頭をアキトがくしゃりと撫でた。こそぐったそうにこよみが首をすくめる。
「コレオの高機動(ストライク)モードはおまけみたいなもんだ。収束空間歪曲場(デフレクタ・ポイント)はチグリフォーンよりも強力だが、戦闘艦の重力波砲(グラビティ・ブラスト)に耐えられるほどじゃない。火砲を向けられないよう、ただひたすら駆け抜けろ」「わかった」
 機体中央左翼のコクピットにタラップが伸びる。後方の爆撃手座席(ガンナー・シート)にまたがっていた人影が二人を見て大きく手を振った。その人影は火星植民都市連合軍戦略宙軍の士官服を着ている。ショートヘアをなびかせてササハラ・イオリ中尉は二人の乗ったタラップの接合を待っていた。
「イオリ?」「ハイ。用意はできてるわよ」「一応、副操縦士としてイオリを空けておいた。・・・やはり一人で行くのか?」
 心配げにこよみがアキトを見上げる。アキトは何もないかのように頷いた。
「ああ。さすがにこのコクピットにドクターを抱えて座るわけにもいかないからな」
「そうね。きっと刺されるわね」「ああ、そうだな」「・・・おい」
 アキトはあまりの言われように苦笑しながら、前後(タンデム)配置のコクピット前方の操縦席に滑り込んだ。こよみも操縦席の縁に腰掛けると、アキトの身体を固定する四点ハーネスを止める手伝いをする。そして、こよみはアキトの身体を固定しながら、顔を寄せた。
「いいんだぞ? このままナデシコに乗っても」「・・・」
 オモイカネ・アールのサポートがなければ満足にも動かない両腕を固定し、IFSを接続する。
 コレオプテールの起動シーケンスが立ち上がった。
 燃料、機関、重力波発信器(グラビティ・ブレード)、そして、兵装。兵装に映る主兵装の欄に、5キロトン戦術核ミサイルが四発表示されていた。
「チューリップを相手にするんだ。一応、反応弾をフルに四発。通常弾頭を八発搭載しておいた。対艦レールガンの弾数はフルだ。ドクターとこのコレオプテールの実物があれば、ネルガルでも再現が可能だろう。これだけ土産があれば、ネルガルも粗末には扱うまい。お前が望む場所で、望むことができる。その手助けになるはずだ。
 本当はアールの奴も一緒に帰してやりたいが、あいつにはもうちょっとつき合ってもらいたい」「・・・」
 アキトは答えず、IFSから脳裏に伝わる情報をじっと見つめた。
 視覚情報を理解できないアキトはすべての情報をIFS経由で受けとるしかない。もちろん、セッティングですべての情報をIFS経由で受けとることは可能だ。普通のパイロットはそこまで極端なことをする必要はない。だが、感覚をIFSに頼るしかないアキトにとっては、IFSでどこまで制御が可能なのか、それを把握することは死活問題だった。
 アキトの視界に広がるウィンドウに機体情報が流れる。IFSの紋章(タトゥ)に光が流れ、その度にコレオプテールは機体を震わせてアキトの操作に応えた。
「…未練がない訳じゃない」
 アキトはポツリと応える。こよみが機体の発進前チェックシートに印を入れながら、アキトの言葉に注意を向けた。
「ああ、未練ならある。だが、それはあの頃に帰りたいからじゃあない」
 アキトは思う。
 あの懐かしい日々を。かけがえのない日々を、想う。
「子供だった。必死だった。無我夢中で駆け抜けた。ユリカと再会して、恋をして、大切な義妹(いもうと)に出会って、憎んで、怒って、ぶつかりながら、何も知らずに駆け抜けた。そんな自分がいた」
 揺籃(ゆりかご)だったのだ、ナデシコという世界は。
 テンカワ・アキトという少年が大人になるための大切で賑やかで暖かい、そんな大人になる前の柔らかな繭だったのだ。
 今ならわかる。大切で、かけがえのない場所。
 だからこそ、そこは今のテンカワ・アキトが帰る場所ではない。
「だから…」
 アキトはふっと口元を綻ばせた。優しい笑みだった。失われてしまったものを惜しむ、大切なものを思い出す、そんな優しい笑みだった。
「優しかった日々に別れを告げよう。大切な人たちに別れを告げよう。そして…」
 アキトは大きく息を吐いた。
「幼かった自分にさようならを」「・・・」「・・・」
 こよみはもう何も言わなかった。イオリもまた静かに爆撃手の操作周りを操縦席のアキトに集約するよう設定し、機体を降りた。
 こよみは最後のチェック欄に印を入れると、アキトの肩を軽く叩いた。
「行ってこい」「ああ」
 頷く。そして、タラップを降りようとするこよみの背に伝えた。
「自分で決めたことだ。最後までつき合わせて欲しい」「・・・ん」
 こよみは振り向かずに右手を挙げた。アキトはそんな不器用な少女の姿にくすりと思わず笑みを零した。
 タラップが離れる。
 大小二つの人影が離れていくタラップからじっと自分を見つめていることをゴーグルの隅に感じながら、アキトは管制に通信を入れた。
「こちらコレオプテール1102。全状態良し(オール・コンディション・グリーン)。発進許可を求める」
『こちらヘラス航空管制。コレオプテール1102へ。離陸位置へどうぞ』
 左手の親指を立てて、アキトはコレオプテールの機体を出すよう伝える。コレオプテールの前輪に運搬用のキャリアが固定された。機関の音が激しく響く。ゆっくりと、格納庫から後方にリング状の重力波ブレードを備えたコレオプテールの美しい機体が、白日の下に引き出された。その姿は、奇しくもユーチャリスやエンディミオンによく似た姿をしている。ただ、リングの中心を貫く鋭角状の機体が、この機体に優雅さよりも戦うための鋭さを印象づけていた。
 格納庫正面でそれまで機体を牽引してきた運搬車が切り離された。二機のヘリカル核融合炉をアイドリングさせながら、バッテリーから伝わる動力でアキトはコレオプテールをゆっくりと短距離離着陸機用の滑走路へ移動させる。他に機体はない。開戦を前に、ほとんどの機体は周辺基地に展開していた。
「ヘラス航空管制。こちらコレオ1102。出るぞ」『ヘラス航空管制、了解』
 重力波発信器(グラビティ・ブレード)が機体を斜め前方に自由落下させる。機体重量が火星の重力に拘束され、するりと、コレオプテールが滑るように滑走路を走り出した。主機出力を上げると、アキトは機体が完全に浮かび上がるのを待たずに車輪を格納した。沈み込み、機体が滑走路に擦れそうになる直前、空間歪曲場(ディストーション・フィールド)が発生し、滑走路から自然と機体を持ち上げる。そして、機首を上げると、ジャンプ・リングを備えた白銀の機体は、大気調整のナノマシンの煌めく虹色の空に向かって勢いよく飛び出した。





3.

 『火星の後継者』(マーシャン・サクセサー)がスポンサーであるアクア・クリムゾンを迎えての会議は二日目、初日の地球連合、および、その航空宇宙軍の政治・戦略予想から、焦点を木連、木星系ガリレオ衛星群反地球連合共同体に移していた。
「こちらは、我々が航空宇宙軍経由で把握している木連軍の活動範囲です。戦争初期と現状では木連軍の行動がはっきりと変化しています」
 映し出されたウィンドウの中で、活動的な次元転移門(チューリップ)と木連軍無人艦隊の行動範囲の変化が映し出されていた。
 画面の中で戦争の時期が進むにつれて、木連軍の活動範囲が変化する姿が見て取れる。戦争初期には打ち込まれたチューリップのうち、戦略目標に近い位置に存在するものから無人兵器の大群が現れ、地球連合陸軍、海軍との戦いを繰り広げていたが、ある時期を境に無人兵器、特に、バッタやジョロなどの機動兵器と無人戦艦群との行動範囲がずれ始めたのだ。無人機動兵器の範囲は変わらない。おそらくは斥候、そして、占領地の警邏の活動をしているためだろう。だが、無人戦艦群は明らかに地球軍の展開の薄い場所に現れ、迎撃に出た地球軍を誘出撃破していた。
 ちなみにある時期とは、木星の『プラント』が核攻撃を受けた時期と重なっているのだが。
「木連、木星系ガリレオ衛星群反地球連合共同体は地球に対する早期屈服を諦めました。現在の木連軍の対地球戦略は攻勢防御であると認識しております。無人戦艦群を地球側の戦力の薄いところで暴れさせることで、地球連合四軍の戦力を拘束し、その間に占領地の実質的支配を進めようとしているのでしょう。
 木連が占領地として入植を予定しているのは火星、月。特に月は地球連合を監視、解体するための前進基地として機能させるものと予測されます」
 さりげなく、木連の火星攻略の本来の目的をぼかして、こよみが現在把握している限りの木連軍の戦略行動を説明する。ただ一人の聴衆であるアクア・クリムゾンは満足そうに頷いた。
「つまり、今大戦の最大の山は、月をどちらが支配するか、と言うことになるのですの?」
「第一の山は、そうなります。木連は『プラント』の生産能力を回復し次第、再度攻勢に出ると想定されます。それに対して、月、および、月軌道周辺の制宙圏が完全に航空宇宙軍の支配下に収まった場合、木連は地球を屈服させる直接的な能力を失う、と考えていただいて構いません。
 この情勢が決定的になったとき、木連はもう一度戦略の転換を行うと予想しております」
 そして、それはおそらく、火星への全面攻撃となる。こよみはそれを口にしなかった。
 膠着した戦線を打開するために、新時代の航宙技術を独占するために、切り札となるボソン・ジャンプの演算装置を手に入れる。
 そのために、この戦争中、火星は最初から最後まで戦場であり続けるだろう。
 この戦いを火星が生き残れるのか。こよみとしては悲観的な見積もりを出さざるを得ない。もっとも、それをアクア・クリムゾンに伝えるわけにはいかなかったが。
 アクアはじっと木連の戦略想定タイムラインを見つめた。
「あなた方はそれをいつだとお考えかしら?」「・・・」
 その問いかけに少女は背後に映し出されたウィンドウに振り向いた。そして、人差し指で指し示す。
「航空宇宙軍が第二艦隊、すなわち、月軌道艦隊(ルナ・オービッツ)の艦艇を完全に相転移機関に更新するのが四月。第一艦隊が再建され、月軌道艦隊、地球方面軍から人員の移行が行われるのが六月。そして、それに伴い、整備された戦力を叩くために、木星系からの大規模な襲撃が想定されるのが、二ヶ月以内。外惑星艦隊の整備が遅くても八月に終わるとして、遊兵となった第一艦隊が内惑星系の制宙圏を回復するために作戦行動に出るのが十二月。おそらく、木連軍はその動きを牽制するために大規模な攻撃を数回行うとして、地球内惑星軌道から叩き出されるのが半年。
 十二ヶ月から十五ヶ月後に木連の戦略的転換が行われるでしょう」
 こよみは航空宇宙軍の勝利を疑うことなく告げる。
 そんな少女を面白そうにアクアは頬杖をついて見つめていた。



「木連側より通達がありました。『火星政府は地球連合と共謀し、一方的に休戦協定を破ったことを非難し、この非道な振る舞いに木連政府は断固とした対処を行う』とのことです」
 エマニュエル・ガドナス火星植民都市連合大統領は執務室のデスクでその報告を受け取った。ゆっくりと辺りを見回す。その視線が一人の少女で止まった。
 視線を平然と受け止めたこよみは小さく肩をすくめた。
「四ヶ月ですか。短い春でしたね」
 エマニュエルはため息をついた。
「・・・私は少しでも長く続いてほしいと願っていました」
「もともと彼らの目的は火星、ボソン・ジャンプの演算装置です。ナデシコの動きは彼らにとって好都合だっただけでしょう。
 夏が来ます。戦争の夏が」
「・・・熱く辛い夏になるのでしょうね」
 エマニュエルの言葉に迷いなくこよみは頷いた。
「今度は彼らも本気です。我々は地球からの支援なしで、木連軍の主力を相手取ることとなります」
「そうですか。わかりました」
 エマニュエルは彼のスタッフたちをもう一度見回した。みんなが彼の言葉を待っていた。
「それでは、戦いましょう。フェイエン・ノール中佐たちは?」
「は。すでに回収部隊と合流したとのことです。すぐに、こちらへ」
「こよみさん、『彼』は?」「ドクターを迎えに。じきに戻ってくるでしょう」
 エマニュエルは大きく頷いた。
「始めましょう。今度はこちらも出し惜しみは無しです。この四ヶ月、我々も遊んでいたわけではないことを彼らに見せてあげましょう」「「「「「はい」」」」」
 エマニュエルに答えて、彼のスタッフが立ち上がった。互いに短く言葉を交わすと、足早に大統領執務室を出て行く。すでに戦争は始まっていた。
 そんな彼らの姿を見送って、エマニュエルはもう一度ため息をつくと、立ち上がり窓に歩み寄る。明るい日差しに照らされて蒼い海が輝いていた。
「春が終わる…」
 エマニュエルは海を見つめたまま呟いた。





4.

 木星蜥蜴の無人戦艦群が次々と赤道を越えたのは、赤道を遠く離れたナデシコからでも確認することができた。
 火星植民都市連合軍(マーシャン・リンク)がアルファベットを割り振った8つの無人戦艦群が次々と赤道を越えていく。その一つ一つが数百隻、最大のG群集団に至っては一千隻を超える規模の無人戦艦だ。その姿をナデシコの艦橋(ブリッジ)から見送る乗組員(クルー)たちは複雑なものを憶えずにはいられなかった。
「木星蜥蜴無人戦艦群B集団が赤道を越えます。大型戦艦51隻、小型艦240隻、その他、無人機動兵器多数」
 銀色の髪をツインテールにした少女が淡々と告げる。その言葉が死刑執行の告知のようにも聞こえて、ナデシコ艦長ミスマル・ユリカは後ろに座っている義妹(いもうと)を振り向いた。
 彼女、アマノガ・ルリもじっとウィンドウを見つめていた。その表情は色白な容貌も相まって冷たく、無表情にも見て取れる。しかし、ユリカは知っている。そんな整いすぎた表情の奥で、彼女はいつも苦悩している。もっと思う通りに行動すればいいのに。ユリカはそう思うが、そうできないところがまた義妹(いもうと)の可愛いところだったりする。難しいものだ。
 アマノガ・ルリはユリカの視線に気がつくと、小さく頷いた。
「始めましょう。彼らには彼らの、私たちには私たちの戦いがあります」
「・・・でも」「なんか見捨てるようで嫌ですよね」「そぉねぇ」「・・・」
 ユリカの逡巡が伝わったかのように艦橋乗組員(ブリッジ・クルー)達から異論が出る。
「ですが、火星軍に合流しても、ナデシコはおそらく廃棄されるだけです」「あら、パーツ取りぐらいには使うわよ」
「なぜです!? 火星軍だって少しでも戦力が欲しい時じゃないですか」
 副長のアオイ・ジュンが珍しく驚きの声を上げる。アマノガ・ルリはちらりとイネス・フレサンジュを見て答えた。
「火星にはナデシコ級を修理できるドックもエンジンの換えもありませんから」「な・・・」「じゃ、ナデシコが火星軍に合流しても…」「ただの鉄屑って訳ですか?」「そういうことね」
 イネスが当たり前のように頷いた。
「と言うか、潜在的には敵なのよね」
 イネスの小さく呟いた言葉は聞かなかったことにして、アマノガ・ルリが決断を迫るように艦長であるユリカを見つめた。艦長の動揺はたやすく乗組員(クルー)達の不安に繋がる。今、ユリカが迷っている場合ではなかった。
「うん…。ナデシコはこれよりネルガル北極冠研究所へ向かいます。火星軍の支援はナデシコが生き残ってから考えましょう。今は、私たちも生き残るための努力をするときです!」
 ユリカは胸を張って指示を出す。
「ナデシコ、出発です」「はぁい、じゃ、行くわよ」「針路はこれで」
 操舵手のハルカ・ミナトが調子の悪いナデシコの機関を騙しながら艦の針路を北極冠へ向ける。
 アマノガ・ルリはそれを確認して、立ち上がった。
「それじゃ、義姉(ねぇ)さん。私はエステバリスの準備をします」「うん、わかったよ」
 アマノガ・ルリは艦橋を出た。ルリの背後で扉が閉まる。
 一つだけ、大きな溜め息が零れた。

「電子戦用エステバリス・カスタム、アマノガ大尉、出ます」
 チューリップからの策敵域ギリギリで、アマノガ・ルリの乗るエステバリスが発進する。
「オモイカネ、電子戦支援モードに移ります。ナデシコ艦内の通信、管制をエステバリスに委譲。
 ナデシコ、アマノガ大尉の指揮下に入ります。艦長?」「はい、許可です」
「艦長の許可が下りました。ナデシコ以降、通信封鎖。アマノガ大尉よりナデシコに、あ…」
 珍しいことに、ホシノ・ルリの報告が途切れた。代わりに正面スクリーンに新しいウィンドウが映し出される。それは、ナデシコに左舷の孤立したチューリップへの侵入ルートを示していた。
「さっすがルリちゃん。やることが早いね。それじゃ、ミナトさん…」
 ユリカは正面に誘導ルートを示したホシノ・ルリの手際の良さを賞賛すると、操舵手のハルカ・ミナトに指示を出そうとする。しかし、その前にガクンと振動が起こり、ナデシコの艦橋(ブリッジ)から見える景色が動き始めているのに言葉を止めた。
「わ、私まだ何もしてないわよ」「・・・」
 ミナトが振り向いて手を振る。ユリカはきょとんとした目でミナトの隣のホシノ・ルリに視線を移した。その指先は普段と異なり、オペレータ用IFSの操作インターフェイスが激しく輝いている。しかし、すぐにルリは手を離した。
「オモイカネの反応がありません。現在ナデシコは完全にアマノガ大尉の制圧下にあります」
「「「「「ええぇぇぇぇぇ!!」」」」」
「メグミさん!」「あ、はい! アマノガ大尉、通信が聞こえますか? 大尉!?」
 スクリーン正面に新たなウィンドウが広がった。そこには巨大なチューリップが虹色の光を纏いながらナデシコに向かって口を開けようとしている。アマノガ・ルリのエステバリスはナデシコの空間歪曲場(ディストーション・フィールド)の外、右舷前方の他のチューリップを扼する位置だ。このままだと、ナデシコはエステを置いて脱出することとなる。
 加えて。
「左後方に敵艦隊捕捉」「見つかったの!」「敵艦隊、システム掌握圏外です」
「エステバリスに帰還命令を!」「駄目です! エステバリスに反応ありません。完全にナデシコの管制から外れています!」「ナデシコ、チューリップへの突入軌道に遷移します」
「駄目! ミナトさん、引き返して!」「操舵にもなんの反応もないの!」「他のチューリップからも、敵艦隊ぞくぞく出現」
 次々と、ナデシコを包囲する艦艇に新しい戦艦が加わる。その矛先はナデシコの後方に立ち塞がる小さな小さな機動兵器に向けられていた。
「ねぇ、誰かぁ! 誰でもいいから、誰かあの娘を! ルリちゃんを助けてっ!!」
 ユリカの絶叫がナデシコの艦橋(ブリッジ)に響き渡る。しかし、艦橋(ブリッジ)にいる誰もがその悲痛な叫びに何もできず、ただ呆然と正面スクリーンを見つめるだけだった。
 そこに、少女がポツリと伝えた。
「ボース粒子反応増大」「「「「「え?」」」」」
 別ウィンドウが開く。ナデシコ後方、約5キロのところに異常なボース粒子反応が発生していることをそのウィンドウは示していた。
 ウィンドウ表示を見上げるイネス・フレサンジュが口元を弛ませた。
「来ます」
 視線の先に生まれたのは闇。
 そして、沸き立つ宇宙から光を掻き分けるように一機の機動兵器が現れた。





5.

 ジャンプ・アウトと同時に、テンカワ・アキトはフィールド出力を全開にした。
 リング状のブレードから発する強力な空間歪曲場(ディストーション・フィールド)がコレオプテールの前方に収束し、強固な障壁となってコレオプテールを包む。
 ボソン・ジャンプ、そのジャンプ・アウトの瞬間、IFSによる制御とジャンプのイメージングが衝突し、どうしても一瞬無防備な状態になってしまう。戦闘攻撃機 MLE-03B コレオプテールはジャンプ・ナビゲータと機体の制御を行う操縦者の二名で制御することで、ジャンプ直後の隙を無くす努力をしているが、この機体には今、アキトしか乗っていない。
 そして、純白の機体は加速する。
 先ほどのひとときの間が嘘のように拭い取られ、コレオプテールは蒼穹の空を飛び跳ねる。
 アキトは周囲のセンシング情報を確認すると、次々と無人戦艦を吐き出しているチューリップの一つに狙いを絞った。幸いなことに、まだ、無人戦艦はこの火星植民都市連合軍(マーシャン・リンク)の新型機に対してどう反応していいのか理解していないようだった。
「クッ」
 アキトの口元が歪み、肉食獣のような笑みが零れた。
「鈍いな」
 2番ミサイル・ラックの戦術核ミサイルが発射管に装填される。後方のジャンプ・リングにエネルギーが充填され、ぼうっと淡い燐光に包まれた。そして、操縦系を乱数加速に設定し、機首を無人戦艦群が溢れ出るチューリップに向けたまま、横に滑るように回り込む。
 燐光の尾を引きながら、弾け飛ぶように距離も速度もバラバラにコレオプテールの機体が無作為な移動を見せチューリップに迫った。
「ナビゲート固定」
 アキトの呟きに、コレオプテール後方に設置されたリング状の重力波ブレードが中心部を黒い闇に繋げる。
「発射」
 機体本体の左後部に設置された大型ミサイルラックから、一発のミサイルが後方に向けて発射された。そのミサイルは導かれるように黒い闇の中心に飲み込まれ、ボソン粒子の光を放って消える。コレオプテールの操縦席が対閃光フィルターを張って暗く色を変えた。
 爆光が広がる。
 コレオプテール機種正面に固定されていたチューリップの直上に、直径10メートルほどの火球が生じ、閃光と衝撃波がチューリップ上部のほとんどを飲み込んでいった。

 それはまるで魔法のようだった。
 闇の中から光と共に現れた純白の機体。
 それはナデシコが火星に降りたときに見たコレオプテールという名前の火星植民都市連合軍(マーシャン・リンク)の機動兵器だった。
 その機体はまるでおはじきが撥ね飛ぶように無人戦艦の合間を擦り抜け、チューリップに迫ったかと思うと、次の瞬間、チューリップが火球に包まれ、上部三分の一ほどを消失していたのだ。
 ゴトンという音が聞こえるほどに、ウィンドウの中でチューリップが制御を失い大地に墜落していく。
 イネス・フレサンジュはほっとした気持ちを覆い隠すように苦笑した。
「もう…。遅刻よ、お兄ちゃん」
 そっと周囲を見回す。ナデシコの艦橋(ブリッジ)の誰もが、この信じられない光景に言葉を失っていた。
 その中で、もっともナデシコの、そして、ネルガルの秘密に詳しいプロスペクターは驚きを隠さぬままに答えを知っているだろう人物を振り向いた。
「ドクター、あれはもしや!?」
 視線が集中する。
 イネスは口元に笑みを浮かべて頷いた。
「ええ、そうよ。あれはボソン・ジャンプ。木星に続いて、火星もボソン・ジャンプの技術を手に入れたの」「やはり!!」
「・・・えっと?」
 驚きに目を丸くするプロスと訳知り顔に頷くイネス。
 二人についていけてない乗組員(クルー)を代表して、ミスマル・ユリカが手を挙げて尋ねた。
「ボソン・ジャンプってなんですか?」
 うんうんと、他の乗組員達が頷く。イネスは嬉しそうに笑みを浮かべた。
「説明しましょう」
 その時、新たな閃光が発生し、二つ目のチューリップが中から吹き飛ばされるように爆発した。

 アマノガ・ルリがコレオプテールの出現を知ったのは、最初のチューリップが撃墜されたときだった。
「あれは…、ボソン砲!?」
 ルリはあのコレオプテールと呼ばれる戦闘攻撃機が、かつてナデシコを苦しめたボソン砲を装備していることに驚きの声を上げた。
 ボソン砲は確か蜥蜴戦争中期に秋山源八郎が艦長を務める「かんなづき」が初めて装備した兵器だ。機械式のジャンプ装置を採用しており、ディストーション・フィールドを破ることなく目標の艦の内側に爆弾を転移させる。その兵器の前にはいかなる装甲もフィールドも意味も持たない。
 しかし、これはいったいどういう事なのだろう。
 ボソン砲は木連ですら戦艦に大規模な転移メカニズムを必要とした兵器だ。とてもではないが、ボソン・ジャンプに技術的蓄積のない火星で機動兵器に搭載できるほど小型化ができるはずがない。
「いえ。A級ジャンパーのナビゲーションによる転移は可能…」
 ルリはその可能性に眉を顰めた。
 『火星の後継者』の乱において、攻撃隊の遠距離ジャンプはA級ジャンパーによるナビゲートでジャンプの送り出しを実現している。火星軍が実現しているこれは人を転送するわけではない分、多少の無茶が効きそうだった。
 そして、これほどの精度でボソン・ジャンプを制御できる人物をルリは一人しか知らなかった。
 エステバリス・カスタムがコレオプテールとナデシコの間に通信が行われていることを感知する。ルリはオモイカネを通じてナデシコと火星軍機との通信をウィンドウを開いて受信した。
 それは音声のみであったが、響いてきた懐かしい声にルリは思わず涙をこぼしそうになった。

「火星植民都市連合軍機より通信です」
 イネスの説明を遮るようにメグミ・レイナードがどうしますか、と言う感じで見上げた。
「む、そうですなぁ。艦長?」「はい。繋いじゃってください」「わかりました」
 ウィンドウが開いた。
 しかし、そこには期待した人物の姿は映らない。SOUND ONLY の文字が黒いウィンドウ上に表示されていた。
『ネルガル重工所属機動戦艦ナデシコ、聞こえるか?』「はいはーい、聞こえてまーす」『・・・』
 ユリカが大きく手を振って応える。ウィンドウの向こうで何となく溜め息が漏れたような気がした。
『・・・ドクターを迎えに来た。そちらの脱出を支援する。エステバリスを回収するといい』
「な!!」「そゆこと」
 イネスは余裕の笑みでプロスを振り返った。ゴートがスーツの脇に手を伸ばそうとしている。
「どういう事なんですか、イネスさん」
 首を傾げて尋ねるユリカにイネスは肩をすくめて見せた。
「つまり、私はここでこのナデシコを降りるってこと。言ったでしょう? 今の私は火星植民都市連合、輸送通信省外局、五種交通局主任研究員だって。あなた達にできないことが、私にはできる。
 火星の人々を木星勢力から守ることがね」
 皮肉を込めて、イネスが乗組員(クルー)達を見回す。
『どうした、ナデシコ? 早くエステバリスを回収しろ』
 再び、問いかける声が響く。ユリカは慌てて事情を説明しようと指揮卓に手をついた。
「駄目なんです。ナデシコの制御をルリちゃんに、えーっと、ちっちゃなルリちゃんの方じゃなくて!」『…もう少し落ち着け』
 苦笑を含んだ声が必死に状況を説明しようとするユリカを落ち着かせる。
 そこに、もう一枚ウィンドウが開いた。それは今まで必死に呼びかけても応えようとしなかった彼女からの通信だった。
『・・・アキト、さん?』
 アマノガ・ルリの声が、響いた。



 幸せの夢、だった
 素敵な想い出の日々だった
 そこにいるのは、かつての妻、かつての義妹
 そこにあるのは、無知だった自分、駆け抜けた自分
 そして、今、ここにあるのは・・・
 もう一度駆け出したいと願う自分だった





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あとがき

 接続良くないね。ちょっとまずいね。黄アキトいないね。
 つー事で、説明は先送りさー(゚∀゚)