One and Only my shining star : Another episode
純白の盾
Shield of Innocence
機動戦士GUNDAM SEED
-- Another Side Story
Descripted by Veneficus.
第五話前編
あれからわたしたちアルスター隊は五回の襲撃任務を行っていた。
地球軍もあまりの被害の大きさに対処の必要性を感じたのだろう。襲撃軌道を外したり、複数の船団に分割して月軌道へ向かうようになってからは、さすがに船団壊滅と言った戦果は上げられなくなっていた。そして、ザフトが月へ向かう船の通商破壊に本格的に戦闘艦を投入するようになると、わたしたちは単体での戦果よりも、後方に輸送船団の規模や軌道を連絡するなどの情報収集に徹した。
もちろん、相手の護衛戦力が低いと判断したときには襲撃を行っている。でも、時々、商船に偽装した戦闘艦がまぎれていたりと、結構、油断がならなかったりする。
だから、その知らせを聞いたとき、どうしようかと頭を抱えてしまった。
中立国の旅客機が月へ向かう。
オーブが地球軍の軍政下に入って以来、地球軍はカーペンタリアのマス・ドライバーを占有しつづけている。そのマス・ドライバーを軍務外に使用できるほど、地球軍に対して影響力を持てる中立国なんて残ってない。どう考えても、偽装でしかありえなかった。
では、撃墜してしまってもいいのか。
中立国の民間機を問答無用で撃墜していては、ザフトの政治的イメージはがた落ちだ。正直、むこうもなにを考えているのやら。
「邂逅軌道に。臨検します。モルダブ船長、陸戦隊を編成してもらえる?」
あまり長々と考え込んでいる暇はなかった。
茶番だとわかっていても付き合わなければならないことがある。
いまになってパパの言葉がわかることがある。頭で考えたことでなく、体感で生きる。パパはもういないけど、わたしはパパの言葉を活かして生きていく。
それが「継ぐ」という言葉の意味なのかもしれない。
補助シ−トから立ち上がったわたしをモルダブ船長が慌てて振りかえった。
「そりゃ構わんが・・・。おい、まさか嬢ちゃん!」「オトリかもしれないから、船の行き脚を止めちゃ駄目よ」
指で銃を作って船長を撃つ。
おどけて撃たれて見せたモルダブ船長は眉を顰めた。
「だが、嬢ちゃんを狙ってるかもしれねぇぞ?」
「そしたら、まとめて吹き飛ばせばいいわ」
「おいおい。・・・ったく、おい、陸戦経験のある奴を集めろ。四人だ」
船長が周囲に声をかける。わたしはパイロットに出撃命令を出すと、触接機の二機と要撃機を指名した。せまいけど、触接機には2人ずつ陸戦隊員を乗せてもらう。
わたしはノーマル・スーツの推進機のエア・チェックをして、エマージェンシー・パックから拳銃を取りだした。マガジンの弾数を確認する。よし。撃ったことないけど、きっと大丈夫だろう。
わたしは腰にホルスターを付けて拳銃を収めると、陸戦隊の兵と打ち合わせをする。一番困るのは、やっぱりブルー・コスモス過激派の自爆テロだけど、まぁ、そんな状況になったら笑って諦めるしかない。
イージス・アルピオーネのコクピットを閉鎖せずに、エアを抜いて出撃する。
モルダブ船長はうまく邂逅軌道に乗せてくれているようだ。
レーダーに移る船影を見つめながら、民間の周波数帯で呼びかけた。
「そこの民間船。聞こえる? こちらはザフト所属の特務戦隊、アルスター隊隊長、フレイ・アルスターです。貴船に対する臨検を行います。ただちに慣性航行に移りなさい」
『こちら、インド洋諸島連邦所属月軌道往還機5211便だ。了解した。お手柔らかに頼む』
うん。素直な反応。もっとも、向こうの意図がなんであれ、民間船を出した段階で接触を求めてきているのは確か。この段階で無茶することはないだろう。
わたしはアルピオーネを民間船後方につけて前進を命じた。陸戦隊を同乗させたジンが接近する。ノーマルスーツが四つ、エアロックに取りつくと、ハンドライトで伝えてくる。わたしもノーマルスーツの気密を確認してアルピオーネのコクピットを開放した。目測で民間船右前方に前進して、機体の監視をジンに引き継ぐと、ノーマルスーツのMMUを操作してアルピオーネのコクピットから飛び出す。
およそ300メートルほどの真空を越えて、確保したエアロックに辿りつく。拳銃を抜いて、先行した陸戦隊と合流した。
『ハイ、MOS−5211。二番エアロックを開放して。
――キャバリア01、こちらシールド・メイデン。今から突入するわ』
『騎兵隊了解』『よっと、開放したぞ』
開放されるエアロックに手で突入を命じる。
エアロックは2人ずつの通過となる。いちばんの用心が必要だった。
『ショック・トルーパー01より、エアロック・クリア。中央回廊まで前進』
『ストーム・ナイト、前進』
先行する二チームが船の中に突入していく。わたしは唇を舐めると、マイクに告げた。
『ハイ・ロード、前進。キャバリア、後は任せたわよ』『了解』
先行する二チームに追いついたわたしは、ガスをチェックしてシールドを
開いた。
「マイリとキャスは予定どおり操縦室を制圧して。わたしたちは船内の調査よ。
とりあえず、客室をざっとチェックして、乗務員立ちあいの元、貨物のチェックをするわ。
どんなに長くても二時間がタイムリミット。のこり、107分ね」
出迎えの乗務員に聞こえないよう指示を出す。短機関銃を抱えた四人が肯くのを確認すると、わたしはにこやかに乗務員に声をかけた。
「船長はどなたかしら? エスコートをお願いしたいの」
問いかける。
乗務員の中から、細身の男が進み出た。線が細そうだが、視線の鋭さが鋭利さを感じさせる。
「私だ」「そう。わたしはフレイ・アルスター。乗客の皆さんに御挨拶をしたいのだけど?」
「わかった。こちらだ」
ちらりと仲間を振りかえり視線を交わした。おそらくは軍人。武装はしていないようだが、どこかに隠してあるのだろう。
すれ違う乗員達の視線の厳しさを意識しながら、わたしたちは上層の客室に案内された。数室の一等客室を見て回る。身なりのいい人々、家族連れが多い、が各部屋を確認するわたしたちを見て、目をそむける。いろいろとあるのだろう。
わたしたちはこれらの部屋に武器が置かれていないことだけ確認すると、先を急いだ。
まだ、船倉も確認しなければならないのだ。部屋に物資が山積みになっているのでない限り、用はない。
つぎつぎと通り過ぎていく部屋の、ひときわ高価な部屋に、わたしはよく知る人物の姿を見て、思わず声を上げた。
「ナタル!?」「ああ、フレイか」
すこしばつの悪そうな表情でナタル・バジルール中尉がグレイのスーツを着て椅子に座っていた。その対面にあたるソファには白いスーツを着た、目つきの悪い金髪の男が人の悪そうな笑みを浮かべている。
「え、なに? 新婚旅行かしら?」
そんなことありえない、とわかりつつも、わたしは意地悪く訊ねた。
「な! 馬鹿なことをいうな!」
「おやおや、振られてしまいましたか。残念です」
悪のりした男が肩をすくめる。
ああ、こいつは悪い奴だ、と素直に思う。いったい、ナタルまで一緒になってなにをやってるんだか。
「失礼ですけど、お二方の名前と身分をお教え願えるかしら?」
わたしは右腕を開いて促した。ナタルの視線が泳ぐ。
馬鹿ね。こういうときは適当に嘘を並べれば、後はわたしが取り繕ってあげるのに。ナタルは生真面目なんだから。
「これは失礼。僕はムルタ・アズラエル。以後お見お知り置きを、アルスターのお嬢さん」「な・・・」
「ふーん・・・」
胸に手をあてて名乗る男に感心する。こいつはワルだ。本当に悪い奴だ。
そこまで思って、引っかかりを覚えた。今の名前って…
「あ、ブルーコスモスの」
「なに!」「なんですって!」「!!」
わたしのぼそりと呟いた言葉に付いてきた部下達が反応する。それに対して、目の前のナタルや船長が緊張に見をこわばらせた。
「待ちなさい」「騒がなくてもいいですよ」
わたしとアズラエルの言葉が重なった。視線が重なる。なんか気に入らなかった。
ふんと鼻をならすわたしに、アズラエルがにやりと笑った。
「これは、さすがは我らが同志、ジョージ・アルスターの御息女と言ったところですか。話しがわかる」
「あら、あなたパパを知ってるの?」
ブルー・コスモスの盟主に同志呼ばわりされたことも意に介せず、わたしはアズラエルに訊ねた。ふん、嫌味なやつ。
アズラエルは芝居がかったしぐさで、大げさにうなづいた。
「もちろんです。彼は大西洋連邦におけるよき同志でした。あんな事件がなければ、きっと僕達と一緒に『プラント』と戦っていたでしょうね」「ふーん」「・・・」
つまらないことを言う。まぁ、揺さぶりをかけてるんだってことはわかるけど、前振りが長い。
「それで? ブルー・コスモスの盟主がわざわざこんな危険に身を晒してまで、どういう用件なのかしら?」
まわりくどいのはやめてよね、と思う。正直、パパを話しの種にする輩と言葉を交える気になんてならない。
そんな雰囲気が伝わったのだろう。アズラエルは両手を軽く上げた。
「おやおや、僕は君の立場に同情的なんですけどね。それにジョージの娘である君がこの戦争をどう見ているのか興味があったんですよ。
僕から見て、ザフトでこの戦争の本質を理解しているのは、ここで頑張っている君ぐらいなものだと思ってるんですけどね」
わたしはしたり顔で肯くこの男を見なおした。少なくとも安全な後方で場当たり的な指示しか出来ない輩とは違う。自分の命をチップに勝負に出ることができる男とは思っていなかった。
「あら、この程度の任務、わたしだけで充分と考えているのかもしれないわよ?」
「ハンッ、この程度とは言ってくれますね。地球軍の反攻作戦を事実上一人で食い止めているあなたが、この程度、ですか!
あなたにはわかっているはずだ。この戦争の本当が。しかし、ここにあなたしかいない。
その事実こそがザフトに人材がいないことを如実にあらわしているのですけどね」「ひとりでってのは大げさでしょ」
いい加減、めんどくさくなってきたので、アズラエルの言葉に肩をすくめて答える。実際、ザフトが地球低中位軌道を軽視しているのは事実だ。いまさら隠してもしかたがない。
「あなたが船団を幾つも落としてくれたおかげで、僕達のスケジュールは遅れてばかりですからね。いい加減、道を開けて欲しいんですよ。
月へのね」
「高いわよ?」「十分、お代は払っていると思うんですが」「わたし、欲張りなの」
「戦争と女には金がかかる、ということですか」
「うまいこと言うわね」
わたしは周囲を見まわした。いざとなったら、ジンにシャトル外壁を撃ちぬかせて脱出するつもりだが、いろいろ言うわりに、アズラエル側に動きはない。
「警戒しなくても結構。ここまでして、あなたを暗殺なんてするわけがない。
僕はもっと素敵なショーを楽しみたいんです」
わたしの警戒を悟ってか、アズラエルが肩をすくめた。
「まったく、コーディネイターでさえなければ、僕の部下に欲しいくらいです」
楽しそうにわたしのことを誉めている。正直、気持ちが悪い。
「コーディネイターじゃなかったら、あなたきっとわたしなんかに見向きもしないわよ」
不機嫌な声でアズラエルの言葉を止める。素敵なショーとはいったい何なのか。船の構造から考えて、機動兵器や宇宙機を搭載しているはずはない。白兵戦をするつもりはないとすると、いったい何を考えているのやら。
「それで、用件は・・・」
うんざりして問いかけようとしたわたしのレシーバーに圧縮通信の着信音が響いた。時計を見る。まだ調査を開始して30分にもならない。
喉音マイクをいれて、問いかけた。
「こちらハイ・ロード。どうしたの?」
『サーコールドより、ストームを確認した。直ちに帰還されたし』
「ハイ・ロード了解」
ストーム、それはカーペンタリアからの地球軍艦艇の打ち上げを意味する。
わたしはちらりとアズラエルに視線を投げた。
「民間船をオトリにわたしを引きずり出したつもり?」「いえいえ、滅相もない」
アズラエルはわざとらしく肩をすくめた。
「僕はただ、地球軍とザフトの最新兵器の饗宴を間近に見たかっただけです。
僕の手塩にかけた子供達と、ザフト最強の兵器との、ね」
抜け抜けというアズラエルにわたしは舌打ちをひとつつくと、マイクに話しかけた。
「ハイ・ロードより、ショック・トルーパー。直ちに撤収。
キャバリア、迎えに来てちょうだい」
『ショック・トルーパー了解』『キャバリア、了解』
わたしはアズラエルを一瞥して、腰の銃を意識する。目の前にいるのはコーディネイター排斥を叫ぶブルーコスモスの盟主だ。ここで射殺してしまったほうがいいのではないだろうか。相手は地球側で戦争を推進している政治犯だ。ここで射殺しておいたほうが、そんな誘惑を感じる。
だが、正面にいるのはただの民間人だ。もちろん、政治的な立場は持っているが、身柄を拘束するならともかく、中立国機で射殺はまずい。
わたしは大きく息を吐いた。
「それじゃ、ナタル。また、ね」「あ、ああ」
「おやおや、僕には挨拶はなしですか」
「あのねぇ」
わたしは腰に右手を置いて告げる。
「あまりわたしを挑発しないでくれない? 女は感情の生き物なのよ。あなたをここで撃っても戦争は終わらないけど、撃ちたくないわけじゃないの」「おお、怖い怖い」
アズラエルは口元に笑みを張りつけたまま、肩をすくめた。
「それでは、いつになったら戦争が終わるのです?」
言ってくれる。わたしは小首を傾げて考えた。
「そうねぇ。月が全てを支配したら、かしら」
「アーッハッハッハッハ…」
アズラエルが頭を押さえて爆笑する。気分悪いわねぇ。
「理事?」「ああ、楽しいお嬢さんです。ホント、部下に欲しいくらいですよ」
「おことわりだわ」
わたしは一瞥すると、ナタルに手を振って部屋を出る。手首の時計を見て、あまり時間が残っていないことを知る。
打ち上げが始まっているとして、現在の軌道高度までおよそ二時間になる。今、二隻の特務艦はいったん低位軌道まで降りて、速度を維持したまま上がってくるはずだから・・・駄目だ。追いつかれる。
加速が遅い輸送船改装艦だ。地球軍にまっとうな戦闘艦が加わっていたら、デブリ・ベルトにまで逃げ込む前になぶり殺しにあう。
地球軍が追ってこない程度に戦うしかない。
往還機の通路を無重力に身を躍らせて急ぐ。窓の外には出迎えのジンが到着していた。定員1名の操縦席に三人も詰めこんでは戦えない。特務艦から応援が来るまで、戦えるのは、わたしのアルピオーネだけだった。
離脱する二機のジン。母艦への帰還軌道を取る彼らと分かれ、わたしはアルピオーネを反対に、地球降下軌道に加速させた。
その頃には地球軍の艦隊の規模もおおむねわかっていた。四隻の輸送艦を中心に二個戦隊10隻が離陸している。
これだけ有力な護衛がついているのは、おそらく輸送しているのが兵員だからだろう。
地球軍がザフトに対して反攻作戦を行うには多くの訓練された艦隊要員が必要だ。赤紙一枚で連れてきた素人に突撃銃を渡して身体に叩きこめばいい陸軍とは違う。宇宙空間と言う人の生存にまったく異質な環境で戦争を行うことができるスペシャリストが必要となる。
そんな人材を育て上げるには多くの資金と時間を費やさなければならない。そんな至宝を詰めこんでいるのだ。強力な護衛がつくのは必至だった。
また、この輸送艦隊は後続の大規模船団の露払いを兼ねているのだろう。
兵員輸送艦を撃破できれば一番いいのだが、さすがに機動兵器を搭載しているであろう艦隊にそこまでは無理だ。なんとか適当にあしらうことができれば…。
ミーティアがあれば。純粋な支援用のレドーム搭載ミーティアがアルピオーネの正規な武装増加パックなんだけど、単機で行動する場合には、戦闘単位として閉じていてほしい。
通常の多連装誘導弾パックがあれば、ここからだって全艦撃破して見せるのに。ラクス、ミーティアだけでいいから、返してよ。
でも、ないものねだりをしても仕方がないのよね。
ため息をひとつ。ドラグーン・コントロールを立ち上げる。
拡大する認識。時間と空間の把握を強制される。溢れる情報。射界、到達時間、軌道要素、艦種、邂逅軌道、現在の軌道要素、ECM、ECCM、周波数帯を把握して、誘導のための、機動兵器隊突入タイミング、広がる視界、怯えるようにわたしを見つめる地球軍の軍服を着たわたし…。
ハッと我に帰る。
あぶない。処理しきれずに飽和した情報がわたしの無意識に結びつき、変質しかけていた。願望が現実の情報の断片と結びつき、幻想の事実を作り上げる。
進行しすぎると、現実で起きたことを上書きしてしまう。
意識の過動作は現実感の喪失をもたらし、情動の劣化を招く。
ドラグーン・コントロール下にあって大切なことは意識しすぎないこと、のめり込まない事だ。本当に重要な情報はIFFが示してくれる。その上で、情報の重要度に応じて判断すればいい。意識や心も過剰な情報に焼きつく。それは状況への対応能力を欠くことになる。
おおむねカーペンタリアからの射出軌道に対向するように乗る。相手は地球の赤道自転速度に乗って低軌道まで上がってくる。あまり速度を落とすと地球の引力に引かれることになるため、対向速度をあまり上げるわけには行かない。秒速1000キロ程度だろうか。もっともこの速度だと、多少落としたところで破片ひとつで互いの機体は吹き飛ぶことになる。
わたしは射出中の艦隊に向けて、四門の80ミリレールキャノンを向けた。微小な大気との摩擦や地球重力から考えると、ここでの命中率は0.2パーセントを切る位だ。
つまり、100発撃てば20パーセントで着弾する。1門50発ほどの弾丸しかつんでいないが、半分もばらまけば、牽制として十分だろう。
そんな軽い気持ちで超遠距離での公算射撃を行う。操縦席にまで伝わる振動。撃ち終わると、すぐに機首を翻して減速しながら高度を稼ぐ。薄い大気との摩擦で上昇していた機体の表面温度が低下していく。
相対速度はそろそろ秒速100キロ前後まで低下してきた。現在の相対位置は、地球低軌道、およそ高度200キロから400キロ付近で集結しつつある輸送艦隊に、赤道前方から相対して交差する。そこから月へ向かうには、艦隊は地球表面にそって軌道を補正し、輸送艦の加速にあわせて軌道を取るから、ああ、やっぱりわたしたちの特務戦隊と一時的に軌道が一致している。
さて、どうやって輸送艦隊の動きを押さえるべきか。上から覆い被さるか、それとも下から突き上げて変な軌道に乗せてしまおうかしら。
時系列を未来に向けて考える。と、そろそろ牽制に撃ちこんだ砲弾が到達する時間だった。向こうがどう動くか見てから判断しようかしら。
先行するレールキャノンの砲弾が、灼熱した光の筋となって輸送艦隊に降り注ぐ。砲弾はそのまま地球大気上層に突っ込んで時ならぬ流星雨を見せて…。
え? 光った?
・・・当たっちゃった。
えーっと、わ、悪気はなかったのよ!
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