It's not all, but... One and Only my shining star!
Episode 2:1


機動戦士GUNDAM SEED
-- Another Side Story
Boy meets Girl again...

Descripted by Veneficus.


再会


 脳裏に浮かぶのは、再会の約束。
 その時の君の困ったような嬉しそうな笑顔を、僕は覚えている。

 突然の再会に言葉が出ない。
「父はたぶん心配しすぎているのだと思う」
 いつかの言葉が思い起こされる。
「地球とプラントが戦争になるはずなんてないさ」
 そう信じていた。
「だったら、すぐまた逢えるよ」
 そう信じた。
 だから、再会がこんな形になるなんて思っても見なかったんだ。


 爆発の音にマリュー・ラミアス地球連合軍技術大尉は意識を取り戻した。すぐ、目の前にはザフトの赤い宇宙服がある。傍らの少年を意識しながら、マリューは痛みをこらえて拳銃を向ける。
 発砲。
 しかし、正面のザフト兵はコーディネイター特有の異常な跳躍でマリューの弾丸を回避する。
 その間を好機に、マリューはぼうっと立ち尽くす少年をX105のコクピットへ押し込んだ。続いて自身もコクピットの中に飛び込む。そして、一瞬ためらい、コクピットを閉鎖した。
 退避するべき要員は退避している。彼女についてきてくれた兵はあの二人が最後だった。
 激しい爆発がX105を揺さぶった。
「シートの後ろに」「はい」
 マリューはシートに座りなおすと、機動兵器の立ち上げを開始する。
「私にだって、動かすぐらい・・・」
 コクピット内に駆動音が響き始める。立ち上げられたディスプレイ。機動シーケンスが流れると同時に周囲の赤いランプが次々とグリーンに変わる。
 ディスプレイに大きくOSの起動画面が映し出された。

G eneral
U nilateral
N euro-Link
D ispersive
A utonomic
M aneuver
「ガンダム・・・?」
 少年の呟きが不思議な音を伴って響いた。


 それは一瞬の油断だった。
 環地球軌道軍事条約軍、すなわち、ザフトのアスラン・ザラは二人が地球軍の機動兵器に乗り込むのを見て、友軍に失敗の連絡を入れた。すぐに突入部隊の撤退が始まる。
 アスランはザフトが確保した最後の機体に近寄った。彼の搭乗を確認した緑の宇宙服の姿が駆けだした。
 コクピットを開け、すぐに自爆装置を解除する。
「馬鹿な、キラがこんなところにいるはずが」
 首を振る。
 誰よりも争うことが嫌いなキラが、ましてや地球軍の機動兵器に関わるなんて、信じられなかった。
 コンソールに映し出された表示に視線を投げ、制御システムを書き換える。
 ナチュラルでも機体を動かせるようにするためのものと思しきさまざまな機能を停止させ、基本的な機体の動きを直接叩く。
 爆炎を振り払い、スラスターを吹かした。ちらりと、右下に設置された背面スクリーンに視線を落とす。そして、背後で立ちあがろうとしている機動兵器の姿に迷う。
「アスラン」
 ミゲル・アイマンから通信が入った。ディスプレイには2機のジンの姿があった。
「ラスティは失敗だ」「なに!?」「向こうの機体には地球軍の士官が乗っている」
 ミゲルの目が鋭く細められた。
「あの機体は俺が捕獲する。お前は先に離脱しろ」
「あ・・・、ああ。――キラ、まさかあいつが…」
 後ろ髪を引かれるような思いを感じながら、アスランは機体をジャンプさせた。ミゲルのものではないもう一機のジンが手を振る。アスランは通信してこないことに疑問を感じながらも、機体を軽くバンクさせて答えた。
 アスランはすぐにこのことを深く後悔することとなる。


 一歩一歩、鋼の機体がその質量を大地に叩きつける。踏み出すごとに、巨体はぐらりと傾ぎ、危ういところで踏みとどまった。
「フン、楽勝だな」
 ミゲルは水平すら取れない状態の地球軍の機動兵器の姿に、滑稽さを感じていた。その動きはへたくそな人形劇を見ている様子ですらある。
「生意気なんだよ。ナチュラルが、モビルスーツなど!」  グリップを握る親指をこすり上げて、兵装を切り換える。滑らかな動きでジンがソードを構えた。


 スクリーンの中央に映るジンがソードを構えた。その緑色に塗装された頭部に光るモノ・アイが彼らを見つめる。
 マリュー・ラミアス技術大尉は機体のバランスを取るのに必死だった。機体の性能がよすぎて、微かなコントロールのずれも補正することなく、反応してしまう。
 ザフトの次期主力機動兵器に対抗できることを期待されて製作された X ナンバーはコントロール・ソフトの成熟を待たずに作られたいびつな兵器と化していた。
「この機体、まだ・・・」
 パイロット・シートの傍らで周りの機材に手を伸ばし身体を支えていたキラ・ヤマトは、機体の性能に翻弄されているマリューの姿に気付いた。
 スクリーンの向こうで、サーベルを手にしたジンが大きく振りかぶる。
 思わず、キラが周囲を見渡す。後部スクリーンに逃げ場を求めて惑う級友の姿が見て取れた。
「こんなところで戦わないでください」「やりたくて、ここで戦ってるんじゃないわよ!」
 キラの叫びにマリューも声を張り上げた。
 スクリーンのジンが迫る。
 しかし、そのジンをもう一機の肩に翼のステンシルを描いたジンが止めた。


 アスランが奪取した機動兵器が安全な距離を取ったことを確認すると、フレイ・アルスターは意識を残りの機動兵器に向けた。
 ミゲルのジンに迫られたその機体は、よたよたと歩くことすらおぼつかない醜態をさらしている。
 周囲を見渡す。
 今はほぼザフトの制圧化にあるコロニー内に、増援が来る気配はない。潜入した歩兵が脱出するのを援護するためにも、もう少しこちらに注意を引きつけておくほうがよかった。
 だが、フレイはミゲルのジンがサーベルを振りかぶるのを見て眉をひそめた。手を伸ばし、肩を掴む。
『ちょっと、何してるのよ』
『フレイ、なぜ止める!』
 怒りすら込めた目で、ミゲルがフレイの通信に応えた。フレイはその気迫あふれる視線に、怯えるように居心地悪げに操縦席で身じろぎした。
『…すまん』
 ばつが悪そうにミゲルが横を向いた。
 フレイは胸に手を当ててほっと息をつく。そして、いつもの調子を取り戻してミゲルにスクリーンの地球軍機動兵器を指さした
『その機動兵器、どう見ても抵抗能力ないじゃない。それに足元を民間人がうろうろしてるでしょ。
 無理に戦わなくたっていいんじゃない』
 フレイが機動兵器の向こう側、崩れかけた建物の影を逃げ惑う学生とおぼしき人影を転送した。戦いに逸って見逃していたミゲルが舌打ちした。
『だったら、見逃せって言うのかよ!』
『そんなこと。別に戦わなくたっていいでしょって言ってるんじゃない』
 そう言うと、フレイはミゲルの返事もまたずにマイクを外部スピーカーに繋げた。
『だから、いったいどうやって――』
『そこの地球軍の機動兵器、聞こえる?
 命までは取らないから、機体を降りて投降しなさい』
 フレイは機体をミゲルの前に進めると、スクリーンに映るミゲルの姿にウィンクした。


 X105 のコクピットに外部から集音した降伏勧告が響いた。続いてもう一機のジンが油断なく銃を構えて前進する。
 マリューは痛みの中、スクリーンに映し出された機体、そのショルダー・アートに描かれた比翼の翼に目を見張る。彼女は知っていた。ザフトの中でも有数の撃墜王の名前を。
「フ、フレイ?」
 だが、その声はマリューの背後から上がった。
「フレイ・アルスター?」
 戸惑うような声を、スピーカーが拾い上げ、伝えた。


『フレイ・アルスター?』
 戸惑うような問いかけが、地球軍の機動兵器から上がる。
 フレイは一瞬頭の中が真っ白になって、なにも考えられなくなる。
 どうして、地球軍の機動兵器から私の名前が聞こえるのだろう。
 どうして、この声に私は聞き覚えがあるのだろう。
 ループする思考に心が置いてきぼりになる。
 理解したくない。
 心が拒絶する。
 しかし、暴走する知性は感情に引きずられることなく記憶を遡り、受けいれたくない答えを引きずり出した。
『キラ?』
 口が勝手に言葉を放つ。
 自分の口にした名前に引きずられて、フレイは言葉の意味を理解した。
 キラ。
 キラ・ヤマト。
 アスランのお友達の。
 キラが乗っている。
 地球軍の機動兵器に。
 乗っている、アスランのお友達。
 地球軍の機動兵器にアスランの友達が乗っている。
「あ、嫌・・・」
 身をよじる。逃げ出すように、あとずさる。しかし、三点ハーネスに固定された操縦席に包まれて、微かに身じろぎすることしかできない。
「かぼちゃなんかに・・・」
 アスランの友達が乗っている。
「かぼちゃなんだから・・・」
 アスランの友達が乗っている。
「かぼちゃのくせに!!」
 アスランの友達が、わたしの知りあいが、乗っている。
「わたしはッ!!」
 人殺しだ。
「ちがう!」
 頭を抱える。
 冷徹なまでの認識が、今まで正視できなかった現実を突きつける。
「ちがう」
 撃破したラベンダー色の機体。分解し爆散する破片に切り刻まれて四散する、赤い霧に包まれたひも状のモノ。巨大な鋼の箱。撃ちこまれようとする砲弾に分厚いガラスの向こうで目を見開く誰かの顔。
 今まで見つめてきた、見つめたくなかったモノ達が、異形の容貌を持ってフレイを取り囲む。
 なにも語らず、フレイの見つめ続けてきた記憶の残滓達が、今フレイを見つめていた。
「あ、ああ、嫌ぁ・・・」
 フレイはヘルメットを脱ぎ捨てて頭を抱えると、いやいやと首を振る。
 目をつぶっても消えてくれない。
 頭を振っても振り払えない。
 フレイの中にある外から訪れた異質なもの達の存在を、誰も消してはくれなかった。
 だから、フレイは求めた。
 たったひとり。
 フレイだけの絶対の味方を。
「助けて」
 途方にくれた瞳で周囲を探す。
 いない。機械に包まれた狭い部屋の中、求める姿はない。
「助けて…」
 探す。モニターの向こ、通信機の向こうに、フレイはその姿を求め、叫んだ。
「助けて、パパ」
 そして、絶望するように宙を見つめ、フレイは呟いた。
「パパぁ・・・」




あとがき
 でぃすてぃにだって。ふ ━━( ´_ゝ`) ━━ん。
 ヒロインはショートなんだって。ふ ━━( ´_ゝ`) ━━ん(シュートはボブかセミでないと反応しない)。
 赤い髪の女の子なんだって。ふー・・・、(; ・`д・´) な、なんだってー!! (`・д´・ ;)