水底の月



水底の月: the Moon under water...

 心は時に硝子細工に喩えられる
 美しく繊細な心は、触れられるだけで悲鳴を上げ
 わずかな衝撃にも耐えきれず壊れる
 でも、壊れてしまった硝子細工には、なんの価値もないのだろうか?
 傷ついてしまった心には、なんの魅力も見いだされないのだろうか?
 わたしは夢を踏み潰そう
 期待を、信頼を打ち砕こう
 絶望をハンマーに、不信を金床に
 わたしの硝子(こころ)を叩き尽くそう
 これ以上、傷つくことなどあり得ぬほどに
 これ以上、壊れることなどあり得ぬほどに
 砂になったわたしの(ガラス)
 せめて掻き消えぬように、傷だらけの手で抱きしめよう


 「水底の月(Moon under water)」は「マリみて」において、主人公福沢祐巳の性格がダークな壊れキャラだったらという設定です。

 リリアン女学園中等部時点で「レイニー・ブルー」のBADEND、つまり、祥子さまにロザリオを返すような精神状態に追い込まれ、そのまま心の大切な何かが壊れてしまった祐巳が高等部に進学、山百合会の面々と出会うという展開です。
 このままだとただ祐巳が辛いだけの内容なので、中等部の事件以前からの友人として蔦子さんを設定しています。




水底の月: the Rainy Blue

 憧れていた日々は暖かくて
 夢見た人たちは優しくて
 静かな日々の中、わたしはわたしを許せることを知った
 臆病だったわたし
 卑怯だったわたし
 弱かった・・・わたし
 願っていた日々は日常に変わり、安逸な日々は心地よくて
 だから、わたしは忘れていたんだ
 人の心はころころと、変わってゆく得難き宝石だったと言うことを
 誰も、彼女も、そして、わたしも
 留まりつづけることなんて、できなかったんだ



第一話 「陽溜まりの中で」
第二話 「曇る空」
第一節公開。
第三話 「静かな雨」
第四話 「濡れて」
第五話 「ひとり」

モドル...